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心をつないでモノを作る~人の気配

BLUESTで作業するなっちゃんとロッキー(左から)

 音楽活動をするに当たり、ミュージシャン以外に必要な職業をたくさん紹介してきた。それでもまだ尽きることはない。改めてたくさんのサポートに感謝しながら、今回はグッズ制作について話をしたい。

 新しいリリースやツアーを発表するたびに「さて、今回はどんなグッズを作ろうか」というスイッチが入る。デザインの打ち合わせと並行して、実際にモノは何を作るかを決めなければいけない。スタッフに任せてしまうミュージシャンも少なくないが、僕から言わせれば、楽しみをひとつ手放しているように思う。

 もちろん大変である。わからないことも多々ある。そこで僕が頼っているのが、静岡に拠点をおくオリジナルグッズファクトリー「BLUEST」である。ロッキーとなっちゃんの愛称で親しまれている2人に連絡を取り、グッズの制作がスタートするのだ。

 Tシャツやトートバッグなどの定番モノから、ソックスやキャップなど、たまに作りたくなるモノ、そして思いもよらないモノまで、とにかく多彩な商品を取り扱う。そこから選ぶ自由さを楽しみながらも、良きところでアドバイスをしてくれる仲間。彼らがいるから僕はグッズを作り続けられていると言っても過言ではない。

 ここでもまた、顔が見えていることのありがたさを感じる。僕に限らず、できるだけ会話をして、理解をして制作を進めている。それは小さな個人店が得意とするところで、それがクリエーティブにとって大切なことだと2人は知っているのだ。誰でも良いわけではない。僕にとっての「BLUEST」は、なくてはならない店なのだ。

 グッズファクトリーとして表現を続ける2人を見て、『Like Her』という曲を思い出す。生きている全員が表現者であることを歌っている。



<Keishi Tanaka(タナカ・ケイシ)>
 ミュージシャン。1982年大樹町生まれ。帯広柏葉高卒。Riddim Saunterを解散後、ソロ名義での活動を続ける。V6への楽曲提供が話題になるなか、ニューアルバム『Chase Af-ter』をリリース。12月9日に帯広でのライブが決まっている。

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