ジュエリーアイスの特別感と絶景を 畜大など3大学が観光テーマに議論
【札幌】帯広畜産大、小樽商科大、北見工業大の3大学の強みを生かし、観光をテーマに研究している「Zekkeiプロジェクト」が2年目を迎えた。札幌市などで11月28日にオンラインで開かれたシンポジウムでは、ジュエリーアイスの事例が紹介された。
同プロジェクトは、北海道国立大学機構を構成する3大学の連携プロジェクトの一つで、観光をテーマにしている。シンポジウムはプロジェクトの認知向上が目的。3大学の商農工分野を融合した研究を推進する同機構オープンイノベーションセンター(ACE)が主催し、「Zekkeiの未来を地域の力に」と題して行われた。
厳冬期の豊頃町大津海岸に打ち上がる氷塊「ジュエリーアイス」を研究している、北見工大の吉川泰弘地域未来デザイン工学科准教授が講演し、ジュエリーアイスの出現現象を調べた経緯などを語った。
気温や風向き、潮位など10日先の気象予測値を入力することでジュエリーアイスの出現予測が可能になったとし、ホームページで予測情報などを公開すると1カ月に約3万回の閲覧があったとした。
大学の研究者らによるパネルディスカッションでは、帯畜大の東陽介准教授(産学連携センター副センター長)がファシリテーターを務め、絶景観光の可能性やビジネスで必要な観点について意見交換した。
登壇者から「顧客は誰なのか明確にすることが大事」「朝日・夕日などの身近な絶景と、ジュエリーアイスや流氷のような特別感のある絶景を融合して発信できれば」などの意見が出された。
東准教授は「プロジェクトは2年目で研究はまだ途上。地域との意見交換や企業との連携を含め、産学官で進めていきたい」と話していた。(安藤有紀)