かけっこのコツ、為末大さんが指導 親子100組参加
親子で運動を楽しむイベント「父子チャレンジアカデミーin帯広」が27日、帯広の森体育館で開かれた。親子約200人が訪れ、五輪3大会に出場した元プロ陸上競技選手の為末大さん(44)から「かけっこで速く走るためのひけつ」を学んだ。
NPO法人幼児研究機構(東京)の主催。同法人の奥園淳子理事長によると、同イベントは「児童の問題行動を防ぐために、父親と運動することで子どもが得られる満足感やストレス発散が効果的である」という考えから、15年前に始まった。過去には札幌など道内でも実施され、初の帯広開催が同イベント70回目の節目となった。
為末さんが登場すると会場からは大きな拍手が送られ、日本記録を樹立し、銅メダルを獲得した2001年世界選手権400メートルハードル決勝の映像が流れると、再び大きな拍手が巻き起こった。
為末さんは「為末式親子交流体操」と題したゲームで指導をスタート。会場では親子で手をつなぎ、為末さんの掛け声ではねたり走ったりする姿が見られた。
かけっこ指導では為末さんが「速く走るには地面をどれだけ強く踏めるかが重要」と説明。これをテーマに空き缶を踏みつぶすイメージでスキップをしたり、スタート姿勢、足の母指球を意識した走り方など約2時間にわたって指導した。参加者は親子で声を掛け合いながら、走る楽しさを学んだ。
「為末さんに会いたくて…」と参加した帯広市の会社員宇野智彦さん(46)は「親子で一緒に運動する時間はとても楽しい」と心地よい汗を流した様子。娘の杏香さん(7)=帯広西小2年=も「今年は3着だったので来年のかけっこは1着を取りたい」と笑顔を見せた。
為末さんは「親子で一緒に運動する機会はなかなかない。運動が苦手な人も楽しんでもらい、運動を始めるきっかけになればうれしい。親子で共通の思い出になれば」と話した。(近藤周)