森の輪プロジェクト3周年 全国へ広がる
地元の木を使ったおもちゃ「森の輪(わっこ)」を新生児に贈る「森の輪プロジェクト」が3周年を迎えた。自治体と連携した取り組みは十勝から全道、全国に広がり、現在は19市町村が同プロジェクトの「木育」に賛同している。
同プロジェクトは2019年6月、帯広大谷短大専任講師だった馬場拓也さん(現札幌大谷大学短大部専任講師)を代表に、管内の有志による活動がスタート。地域の新生児に直径8センチのドーナツ状木製玩具をプレゼントしている。
参加自治体は初年度の4市町から年々増加。道内では池田や上士幌、広尾、幕別、清水、音更、浦幌、大樹の十勝管内8町を含む18市町村が取り組み、今年度は初の道外自治体となる千葉県香取市も加わった。使用する木はシラカバやエゾヤマザクラ、カラマツなど各地域で伐採し、今年度で計12種類となった。
「ウッドデザイン賞2020」や「第15回キッズデザイン賞」(21年)を受賞するなど、丸みを帯び、安全性にも配慮した愛らしいデザインは評価が高い。今年3月には普及用冊子「森の輪物語2021」を発行し、活動を改めてPRしている。
事務局長の日月(たちもり)伸帯広の森・はぐくーむ施設長は「池田町は地域おこし協力隊が木の伐採から製作まで全て担うなど、地域ごとで新たな広がりがあり、うれしく思う。地域の自然や森に目を向けるきっかけにもなれば」と話す。
副代表の西野経子帯広大谷短大特別任用教授は「人と人とのつながりによって作られる森の輪は、赤ちゃんにとって極めて優しい遊具の一つ。それが当たり前のように存在してくれれば」とさらなる広がりに期待を寄せた。(松村智裕)