お寿司がなくなる未来を変えよう くら寿司が栄小で出張授業
「未来のお寿司(すし)には、お魚が載っていないかもしれません」-。帯広栄小学校(塩田直之校長、児童393人)で21日、大手回転寿司チェーン・くら寿司(本社大阪)による出張授業「お寿司で学ぶSDGs」が開かれ、同校の5年生78人が体験を通して「食」に考えを巡らせた。
くら寿司が4月から始めた取り組みで、全国13校目、道内では初開催となる。「おすしが食べられなくなる未来を変えよう」を合言葉に、児童たちにとって身近な存在である回転寿司を通じて、水産業の未来や食品ロスの現状など、食をめぐる課題の解決策を一緒に考える。
児童は、実寸サイズの魚の模型に触れて市場に出回りにくい低利用魚の存在を学んだり、機械式レーンを使った回転寿司店の模擬体験を通して、作っても食べられない食品ロスの実態を学んだりした。リアルな魚の模型や回転寿司のシステムに、児童らは興味津々の様子だった。
「低利用魚の積極利用で漁業の仕事を支える」「食べる量に合わせて作る量を調整する」など、くら寿司が実践するSDGsへの取り組みも学んだ。解決への具体策を考える場面では、児童から「残さず食べる」や「低利用魚を加工する」といった意見が上がった。
植松拳生君(10)は「(低利用魚など)食べたことのない魚も食べてみようと思った」と話し、大塚野乃さん(同)は「食べられる量だけ買って、できるだけロスを減らしたい」と話した。(柳田輝)