「よく頑張った」「次のステージで活躍を」 高木菜那選手引退に十勝関係者も万感
5日に現役引退を発表したスピードスケートの高木菜那選手(29)=幕別町出身、帯南商高出=。十勝のスケート関係者や知人らは日本中を熱狂させた五輪金メダリストの功績をたたえ、労をねぎらった。
札内中時代のスケート部顧問で、十勝中体連クラブで指導した石原宏希さん(51)=帯八千代中教諭=は「中学時代に『世界で戦える選手になります』と言っていた。高校2年時に妹(美帆)が五輪に出て、その思いがさらに強くなったと思う」と懐かしみつつ、「実業団で10年以上にわたってよく頑張った」とねぎらった。
同クラブで長距離から短距離に転向した中学3年時に指導した勝見了さん(51)=鹿追中教諭=は「こうと決めたらやり遂げる意志の強さがあった。引退後の次のステージでも活躍すると思う。会うのが楽しみ」と話した。
帯広スケート連盟の細川吉博会長は「本当にお疲れさまと伝えたい。彼女のおかげで日本、十勝のスケートレベルが上がった」とたたえた。
高木姉妹と家族ぐるみで交流している「竹葉寿司」(幕別町札内)の杉山雪男店主(76)は、店内に「感動をありがとうございます」などと書いたメッセージを掲示。「姉妹で切磋琢磨(せっさたくま)し頑張ってきた。新たな人生も切り開いてほしい」とエールを送った。
地元でスケート靴の調整などを担った「スケートプロショップおおさか」(町札内)の松田記一専務(61)は、「今までよく健闘してきた。これからの人生も頑張ってほしい」とし、「(所属先の)日本電産サンキョーの廃部も含めて、一つの時代が終わる寂しさを感じる」と話した。
帯広南商業高スピードスケート部元監督で高木姉妹の高校時代の恩師、東出俊一さん(65)は「同じ競技で中学から五輪に出場するような妹と常に比較され、相当つらかったはず。強い精神力と反骨心を持って、よくここまで競技を続けてきた」とたたえ、「競技のために犠牲にしてきたことも多いと思う。やりたかったことに存分に取り組んでほしい」と今後の活躍に期待を寄せた。
無期限休養も現役続行へ意欲を示した妹の美帆選手(27)=日体大職=については「(次の五輪まで)まだ4年ある。型にはまらず、1回リフレッシュしてからまた復帰すればいい」と話した。(松村智裕、岡部彰広、小野寺俊之介)