帯広住宅地、5年連続の上昇 宅地不足背景に
国土交通省は22日、1月1日現在の全国の公示地価(1平方メートル当たり)を発表した。帯広市の住宅地の平均価格は2万7900円で5年連続で上昇、平均変動率は前年比7・9%のプラスとなった。宅地不足を背景に近隣3町を含めて上げ幅が拡大した。帯広市の商業地も2・5%プラスの5万500円で3年連続で上昇した。
調査は管内12市町の88地点(住宅地69、商業地18、工業地1)で実施した。
帯広市は住宅地と商業地などを合わせた全用途の平均が3万3100円で、変動率は6・6%のプラス。2018年から5年連続で上昇した。住宅地は30地点のうち29地点で上昇、1地点が横ばいだった。平均変動率は前年から3・8%上がった。最も高かったのは、「西21条南3丁目32番9」の3万8000円で10・1%のプラス。上昇率が最も高かったのは「西20条南4丁目16番17」の11・9%。6地点が2桁台の伸びとなった。
商業地は10地点中、8地点が上昇し、横ばいと下落は各1地点だった。最高価格は「西2条南9丁目16番1外」の10万1000円で1・0%のマイナス。3地点は前年は横ばいだったがプラスに転じた。中心市街地への投資は弱いものの、全体的に底値感から安定的に推移し、国道38号沿いの事業用地需要の高まりもあって前年より上げ幅が拡大した。
工業地1地点の「西20条北1丁目16番3」は8・0%プラスの1万2200円。工業用地の供給不足に伴い、取引価格水準は強い上昇傾向が続いた。
町村では、音更、幕別、芽室の3町の住宅地で、利便性が高い地域を中心に需要が続き、いずれも平均変動率の上昇幅が拡大した。音更の平均価格は1万9700円、変動率は4・7%で6年連続のプラスだった。本別と足寄は横ばい、他の町は下落した。下落幅は広尾の2・4%が大きかった。商業地では、音更が横ばいで、他の町は下落した。(安田義教)
地価公示法に基づき国土交通省が公表する毎年1月1日時点の土地の価格。同省の土地鑑定委員会が、都市計画区域などから標準地を選定し、不動産鑑定士が取引実績などを基に1平方メートル当たりの価格を評価する。都道府県が調査する毎年7月1日時点の「基準地価」と並び、土地取引時の目安となる。