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コロナ禍のペットブーム続く「飼えない」の声 保護団体の悩み多く 終生飼育が原則

病気や障害のある猫の面倒も見る保護猫カフェ。原田さんは「不幸な猫を減らしたい」と責任を持った飼い方を訴える

 新型コロナウイルスの感染拡大以降、在宅時間が増えたことなどによりペット人気が高い。生活の癒やしとなる存在だが、飼い主が経済的困窮や入院等で飼育不能になったときの備えも必要だ。近年は保護団体を頼る問題も深刻で、関係者は「ペットを飼うときは終生飼育が原則。コロナ明けも変わらずに愛情を注げるか考えて」と呼び掛けている。(牧内奏、石川彩乃)

 一般社団法人ペットフード協会によると、2020年の全国の新規飼育頭数(推計)は、犬が41万6000匹(前年比18%増)、猫が46万匹(同16%増)。21年は犬が39万7000匹、猫は48万9000匹となり、コロナ前を上回っている。

 十勝管内でも人気は根強く、大手ペットショップは生体とグッズなどの販売額が「前年比150%の場合も」(担当者)。保護犬猫の引き取り手も多く、一般社団法人ティアハイム十勝の平賀寿子代表も「1匹の猫に対し、10人から声がかかることもあった。(コロナ前の約3倍で)ペットブームを感じている」と話す。

 一方で、保護団体などには、面倒を見切れなくなった飼い主からの相談が増えている。特に、高齢者による多頭飼育や幼い猫を保護したケースが多い。保健所や団体を無料で引き取ってくれる施設と勘違いする人もおり、帯広市内で保護猫カフェ「Wish」を運営する原田美加さんは「今いる猫の飼育で手いっぱい。これ以上は増やせない」と頭を悩ませる。

 ペットを不幸にさせない備えの一つが「ペット信託」。行政書士らで構成するNPO法人ホッカイドウ・アニマル・ロー(札幌)では、飼い主が信頼できる第三者と契約を交わし、万が一のときに飼育費を支払うペット信託をサポートしている。

 代表理事の今井真由美さんは「大事な家族を誰に預けるかは、飼い主しか判断できないこと」と備えの大切さを強調。「ペットを飼うことで認知症を抑制したり、心が穏やかになるなど生活の支えになる」と良い面も伝えつつ、飼育前に「自身の健康、経済力、緊急時に頼れる人間関係ができているかがそろっているかを考えてほしい」と説いている。

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  • 脳の障害で排せつのコントロールができない猫も。別室で面倒をみる保護猫カフェ

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