石崎琴美３度目の五輪 冷静な目と的確なアドバイスで貢献 北京五輪カーリング
【中国・北京＝北雅貴】北京五輪のカーリング女子１次リーグが１０日、国家水泳センターで始まり、前回銅メダルだった日本は、スウェーデンに５－８で敗れて黒星発進となった。石崎琴美（４３）＝帯南商高、帯一中、帯広栄小出、旭川市生まれ＝がフィフス（リザーブ）を務めた。「（個人的には）今シーズン一番落ち着いている。国内の（北海道銀行と日本代表を懸けた）トライアルが一番緊張していたので。気持ち的に安定している」と話した。
石崎は２００２年ソルトレークシティー、１０年バンクーバーの２回の五輪を経験。１３年に現役を引退し、１５年にバンクーバーでチーム青森の一員として共に戦った本橋麻里が産休に入ったのを機に、一時的にロコ・ソラーレに加わった。１８年には解説者として平昌（ピョンチャン）五輪銅メダルの場面に立ち合い、２０年にロコ・ソラーレから豊富な経験を買われて、チーム入りを請われて再加入。「銅メダルを獲得した強い、できあがったチームに自分が入ることがすごく不安だった。とてつもない大きな覚悟が必要。本当は断った方が楽だったかもしれないが、皆が何度も“告白”してくれたのがうれしかった」と振り返った。
リザーブとして冷静な視点でチームを客観視。的確なアドバイスを送り、メンバーからの信頼も厚い。親しみを込めて「ことみちゃん」と呼ばれている。昨年１２月の五輪最終予選で北京への切符をつかんだ際には、リードの吉田夕梨花（２８）に「人生を変えてまで入ってくれた琴美ちゃんとオリンピックに行きたいと思っていた」とも言われた。
大会中は夜に「ナイトプラクティス」と呼ばれる実際に石（ストーン）を投げて氷との相性などを正確に確認。翌日以降の次戦のために、プレーする選手に情報を伝える重要な役割も担っている。
「どの大会でも初戦は難しい。チームでうまく入っていく準備を進めていきたい」と話していた試合は落としたものの、大会は始まったばかり。焦りはない。「全員の状態は良いと思います」と前向きだった。
▽女子１次リーグ（１０日）
スウェーデン（１勝）
０１００１３０３０×｜８
００２１００１０１×｜５
日本（１敗）
（１０エンド途中ギブアップ）
▽順位
（１）スイス２勝
（１）米国２勝
（３）カナダ１勝
（４）デンマーク１勝１敗
（４）英国１勝１敗
（４）スウェーデン１勝１敗
（７）日本１敗
（７）韓国１敗
（７）ＲＯＣ１敗
（１０）中国２敗（ＲＯＣはロシア・オリンピック委員会）
