ビザンツ帝国の女性歴史家を漫画に 帯広出身の佐藤二葉さん新作
古代ギリシア演劇の俳優や演出家、作家などとして活躍する帯広市出身の佐藤二葉さん(34)=東京=が、2作目となる漫画作品「アンナ・コムネナ」(星海社)の第1巻を出版した。ビザンツ帝国の皇族で、西洋中世唯一の女性歴史家アンナ・コムネナの少女時代を描いている。
佐藤さんは帯広緑丘小、第八中、帯広三条高、国際基督教大卒。大学時代にギリシャ悲劇にのめり込み、都内の演劇学校の舞台演出コースを修了した。
趣味でインターネット上に公開していた漫画が編集者の目に留まり、2017年、古代ギリシアをテーマにした「うたえ! エーリンナ」で漫画家デビューを果たした。
新作「アンナ-」は昨年5月に作画を開始した。19年に相野洋三氏によって邦訳されたアンナ・コムネナ著の歴史書「アレクシアス」を読み、「(彼女に)恋に落ちてしまった」のが執筆のきっかけ。翌20年に刊行された、井上浩一氏による同人物の研究書も執筆の後押しとなった。
作品は4コマ漫画の体裁で、11月末からインターネットで1日1ページずつ連載中。今回の漫画の第1巻には、連載の数カ月先までの分を収めている。
佐藤さんは「日々、喜びを感じながら創作している。自我を強く持ったプリンセスがいたことを子どもたちにも知ってもらいたい」と話している。
オールカラー、850円(税別)。(澤村真理子)