林業労働力強化対策で研修会 池田
【池田】町は5日、安全で衛生的な職場環境づくりに向けた「林業労働力強化対策事業研修会」を、十勝総合振興局森林室池田分室で開いた。林業関係者ら15人が参加し、バーチャル・リアリティー(VR)を使ったチェーンソーの伐木災害体験などを行った。市町村が事業主体となるのは今回が初めてという。
同研修会は、林野庁の林業経営体・林業労働力強化対策事業の助成を受け、林業事業体・自伐林家の安全意識の向上を図る取り組み。
事務局を務める森林環境リアライズ(本社札幌)森林環境部の谷津繁芳環境課長が講師を務め、林業現場における労働災害の発生状況などを解説。災害原因となる林業現場や労働の特徴として、「山間地は通信網がなく、救急対応が難しい。一人で作業をすることで発見が遅れることも原因の一つ」と補足した。
座学の終了後、実際の災害事例を基に開発されたVRシミュレーターで「伐倒方向未確認」など八つの事例を選んだVR体験のほか、防護ブーツやフェースガードの試着も。VRを初めて体験した中村毅志さん(69)は「倒れた木の音がリアルですごかった。疑似体験で災害を確認するにはちょうど良い」と話した。
同日は町清見の炭焼伝承広場で、位置情報共有システム「SoKo-co」の操作体験も行われた。(水上由美通信員)