車いすウエディングファッションショー 「緊張したけど楽しく」
車いす利用者がモデルを務めるウエディングファッションショー「パラコレクション2020+1」が2日、帯広市内の北海道ホテルで開かれた。初の十勝開催で、男女3組が車いす用に工夫を施したドレスや和装に身を包み、観客の大きな拍手を浴びた。(松村智裕)
日本理美容福祉協会帯広センター(森田浩幸代表)の主催。車いすでも着物、ドレスなどのファッションや結婚式が楽しめることを広く周知することが狙い。同様のショーは3年前に札幌で開かれている。
会場には約100人が来場。車いすでの着付け体験会や最新の車いす、福祉用具の展示会も開かれた。
ショーでは、ドレスや着物を着た車いすの女性4人が式に参列。続いて、和装の3組が音楽に合わせて次々と姿を見せ、ランウエーからステージへ入場した。
白無垢(むく)や赤の紋付袴(はかま)などから洋装へのお色直しも。純白のウエディングドレス、バルーンアートで装飾した淡いピンク色のドレス、タキシードといった姿に惜しみない拍手が送られた。最後にモデル役の武部未来(みき)さん(34)=札幌=が両親への思いを手紙で朗読した。
いずれも帯広在住でモデルを務めた酒井麻衣さん(32)は「緊張したけど、かわいいドレスを着てすごく楽しかった」、佐藤仁美さん(41)は「幸せなひとときを過ごせた」と満足げ。町田佑介さん(27)は「障害があっても、諦めなければできることはたくさんある」と力を込めた。
モデルの家族や関係者の多くは笑顔で写真撮影を楽しんだが、感極まってハンカチで涙を拭う人も。森田代表は「コロナ禍で1年延期したが、開催できてよかった。最上級の喜びと楽しさを味わってもらい、障害を持つ人への理解や関心が深まることにつながれば」と話していた。