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動物のごみの誤飲深刻 おびひろ動物園が注意呼び掛け

園内に落ちていたごみ。パンフレットや入場券の半券、ビニール袋などが目立つ(おびひろ動物園提供)

 おびひろ動物園(帯広市緑ケ丘2、柚原和敏園長)で飼育している動物たちのごみの誤飲が相次いで確認されている。これまでのところ大事に至ったケースはないが、命に関わる恐れもあり、同園はごみを落とさないよう来園者らに協力を呼び掛けている。

 誤飲が確認されたのは主にキリンやホッキョクグマ。担当展示飼育係の片桐奈月さんによると、キリンの誤飲はここ1~2年で3回ほど確認されていて、今年のゴールデンウイーク(GW)中にもビニール袋を口にくわえ、飲み込みそうにしているところを発見。ホッキョクグマもGW中にポケットティッシュのビニール袋を誤飲しているところを来園者が気付き、報告を受けたという。片桐さんは「(他の動物も)人の目が届かないところで誤飲している可能性が高い」と懸念する。

 園内にはパンフレットや遊具の半券、ビニール袋など、来園者が「うっかり」落としてしまったごみが散見される。動物は餌とごみを見分けることができず、口に入れたときの感触で判断していると考えられる。キリンは園内の落ち葉をよく食べていて、かんだ際の感触が似ている紙やビニールと区別がつかず、誤飲につながった可能性がある。

 動物がビニールなど消化できないごみを飲み込むと、胃や腸に詰まって食欲不振などに陥り、やがて命に関わる危険も。ふんと一緒に排出されることもあるが、以前から誤飲が確認されているキリンについては、ふんにごみが交ざっているのを確認できておらず、片桐さんは「胃の中にたまったままかもしれない」と心配する。

 今年は「帯広明るい社会づくり運動」が主催する夏季開園前の大規模な清掃奉仕活動が中止となったほか、強風の影響で飛んできたごみが目立っていて、飼育員も随時ごみ拾いを行っている。片桐さんは「わざとごみをぽい捨てする人はいないが、風で飛ばされることもあり、うっかり落としてしまわないよう注意してほしい」と呼び掛けるとともに、自力でごみを拾えない場合は近くの飼育員に声を掛けるよう協力を求めている。(石川彩乃)

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