パリ五輪新種目のブレイクダンス 十勝でも知名度アップに期待の声
2024年パリ五輪の新種目にブレイクダンス(ブレイキン)が加わることが決まった。十勝管内で技を磨く子どもたちや指導者は、五輪競技となったことで知名度の向上に期待している。(深津慶太、高田晃太郎、新井拓海)
◆スタジオFUSION
幼児から30代 かつては「不良」→子どもに浸透
ブレイクダンスは、音楽に合わせて身体を使って回ったり、跳ねたりするアクロバチックなダンス。踊りを見せ合って戦う「バトル」が特徴で、1対1や2対2で競い、大人数で臨むチームバトルもある。
立って踊るトップロック、かがんで地面に手を付き素早く動くフットワーク、背中や肩、頭で回転するパワームーブ、音楽に合わせ動きを止めるフリーズを中心に構成。技術力や表現力、完成度を項目ごとに採点し、勝敗が決まる。
帯広市内のダンススタジオ「FUSION(フュージョン)」には、幼稚園児から30代まで20人近くが通い、ブレイクダンスに親しむ。幕別札内中2年の伊藤龍誠さん(14)が得意のウインドミル(上半身を床に付けて足を開き、遠心力を使って回転する技)を交えたダンスを披露すると、生徒たちが歓声を上げて盛り上げる。小学3年生から始めたという伊藤さんは「技を見せて大人数からワーッと声を掛けられるのが好き」と笑顔を見せた。
インストラクターのm@-kun(まーくん)さん(36)は「昔は不良のイメージが強かったが、(12年に)中学校でダンスの科目ができて子どもたちが増えた。五輪でさらに注目を浴びるのでは」と期待する一方、「点数が全てではない。子どもたちには50メートル先から見ても分かるような、個性あふれるダンスを身に付けてほしい」と話す。
◆帯北高
年末に全国大会 メンバー4人→11人に
帯広北高校には、18年に同好会ができ、19年から部となった。当初のメンバーは4人だったが、地域のイベントに出演して興味を持った新入生が入部し、今では11人に増えた。12月28日に1チーム3人で初の全国大会に挑む。
ブレイクダンスを教えるため、札幌から赴任した顧問の片山奨久教諭(34)は「2018年のユース五輪で初めて実施され、五輪でも近く正式種目になると期待は高かった。一般の人にも魅力が知られていくことがうれしい」と歓迎する。
ユース五輪では半井重幸選手(18)=大阪府=が男子3位となり、河合来夢選手(19)=神奈川県=が女子と混合団体で優勝するなど、日本人も世界で実績を残している。全国大会に出場する3年の高橋咲弥さん(17)は「河合選手が大好きで、ユーチューブで動画を何度も見ながらまねしている。五輪の舞台でも活躍するのが楽しみ」と期待している。