授業参観かなわなくても 小学校やPTA、独自行事や授業の様子配信 帯広市
新型コロナウイルスの影響で、授業参観や運動会などが中止され、保護者が子どもの様子を知る機会が失われた1学期。帯広市内の小学校では、学年・学級ごとに独自の行事を企画して動画を配信するなど、校内の様子を発信する動きが広がっている。(高田晃太郎)
市内の小中学校では1学期の間、保護者の授業参観を見合わせ、全校児童・生徒が参加する従来の運動会が中止された。
啓北小(塩田直之校長、児童342人)は学年・学級ごとに応援や競技を行う「合同体育」を9月1日から4日間行い、その様子を撮影したDVDを保護者に配布する。
「学年を超えた活動が難しい中、クラスで力を合わせて一つのことを達成する経験を味わい、6年生は思い出を残してほしい」と、塩田校長が発案した。
同校PTA(松久祐貴会長)が協力し、白組と赤組に分かれての応援合戦や綱引き、リレー、よさこい演舞などを撮影。本物の運動会のように15分程度のビデオを編集する予定だ。松久会長は「家庭とは違った子どもの様子が知れる貴重な機会。コロナ禍でPTA活動もできない中、代わりにできることを探していた」と話す。
花園小(小澤容子校長)も、運動会で約200人の全校児童が踊る予定だったよさこいをクラスごとに撮影。2学期以降、保護者懇談会での上映やDVD配布を検討している。
折出雅史教頭は「運動会のよさこいはリレーと並ぶ見どころの一つ。保護者に足を運んでもらうことはかなわなかったが、せめて映像でお子さんの成長を実感してほしい」。4年の三浦芽生(めい)さんは「お兄ちゃん(6年)と家でいっぱい練習した。去年運動会に来られなかったお父さんに元気な姿を見せたい」と話す。
広野小(新川和範校長、児童26人)は6月以降、日ごろの授業や夏休み登校中のラジオ体操の様子を教員がiPad(アイパッド)などで撮影し、週1、2回、保護者に公開。2学期以降も継続して取り組む考えだ。
2学期参加OK 市教委
帯広市教委は6日、市内の小中学校の学校行事について、「3密」の状態を避け、児童・生徒との直接的な接触を避けられる場合、2学期から保護者の参観を可能にすると発表した。
全国的に感染状況が拡大する中、「慎重な対応が必要」との考えだが、「家庭や地域の総合的なかかわりが、子どもたちの学びの質を高める」として、学校再開の方針を見直した。
部活動の観戦も感染対策を講じた上で緩和する。一方、体育館や空き教室などの一般団体への開放事業は9月末まで再開を見送る。(高田晃太郎)