足寄動物化石博物館にティラノサウルスの頭部復元模型が登場
【足寄】足寄動物化石博物館(安藤達郎館長)は、史上最大級とされる肉食恐竜・ティラノサウルスの頭部復元模型の展示を始めた。同館学芸員の新村龍也さん(40)が、インターネットで無料公開された3D(立体)データを基に製作した。新村さんは「恐竜と哺乳類の違いが見て分かり、楽しんでもらえるのでは」と話している。
米スミソニアン博物館が、米国モンタナ州で発掘されたティラノサウルスの3Dデータを、昨年5月からネット上で教育用に無料公開している。これを知った新村さんが標本作りを模索した。
頭部骨格のデータを分割し、それぞれの型を作って組み立てることとし、鋳造用模型などを製作する伸和機型(空知管内栗山町)に協力を依頼した。同社は、大型3D切削機で骨格を24パーツに分けて製作した。
足寄動物化石博物館に1月に届いた発泡スチロール製の各パーツを、ボンドで接着し、樹脂でコーティング。約50本ある歯は、つるっとした独特の質感を出すため紙やすりで磨いて再現し、最後に本物の化石を模した塗装で完成させた。
模型は10日から、化石発掘体験などで使う作業展示室内で公開している。
新村さんは「3Dデータによる復元模型の展示は当館では初めてで、全国的にも数少ない。新型コロナウイルスで大変な時期だが、機会があれば見に来てほしい」としている。(折原徹也)