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帯北、十勝の先陣切って全体練習再開 高校野球

打撃練習に励む選手たちを田澤圭司監督(左)が見守る

 高校野球にバットの快音が戻りつつある。新型コロナウイルスの影響による練習休止および夏の甲子園大会中止の衝撃を経て、十勝管内各校が練習再開への動きを見せ始めた。管内最多の部員57人を擁する帯北(田澤圭司監督)は30日、同校グラウンドで約6週間ぶりとなる全体練習をスタートさせた。今季初の真夏日となった十勝の青空の下、約3時間にわたって打撃練習を行った。公立校など他校は6月から始動。昨秋の全道覇者の白樺学園は6月2日に再開する。

 本格的な練習再開に向けての準備としてすでにボールを握っている学校があるものの、管内での全体練習再開は帯北が皮切り。安全に考慮しながら白球を追った。久々に全選手の動きを目にした田澤監督は「思ったより体が動いている。不完全燃焼で終わることなくやり通してほしい」とうなずいた。

 20日に第102回全国選手権大会および地区予選大会の中止が決まった。その直後こそ3年生13人の中には引退を考える選手もいたが、3年生のみでミーティングを行い、一人ずつ気持ちを再確認した。「甲子園がなくなったのはショックだが、みんなで一緒に野球を終われるのはうれしい。親や仲間に感謝の気持ちを伝えたい」と松本瑛翔(えいしょう)主将(3年)は前を見据えた。

 昨夏の北北海道で8強入りした帯北は新チームで臨んだ同年秋、支部予選初戦で敗退したため、公式戦経験は1試合のみ。松本主将に至っては当時、右足首をけがしていたため、新チーム以後の公式戦出場はゼロに終わった。ただ休校期間中は毎日8キロのランニングや河川敷でのキャッチボール、進学のための勉強と努力してきた。その証しを少ない期間でもしっかり残すつもりだ。

 松本主将は「野球はやっぱり楽しい。部活をやっていたときより食べないので痩せてしまったが、(体力は)ばっちり。最後まで後悔なくやり切ることだけを考えたい。(開催検討中の北海道独自大会は)思い出づくりではなく最高のメンバーで勝ちにいきたい」と気持ちを奮い立たせている。

 練習試合は、管内各校の取り決めで6月第3週目以降となっているため、帯北は計画していた旭川遠征などを中止にした。今後は予定を新たに組み、土日にダブルヘッダーをこなして試合経験を積んでいく。(岡部彰広)

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