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国の登録文化財「赤レンガ」をカフェに 宮本商産7月オープン

カフェとして再活用される宮本商産の「赤レンガ」

 ガソリンスタンドなどを展開する宮本商産(平征浩社長)は、築100年を超える国の登録有形文化財で、帯広市西2南5の本社隣に今も残る旧本社社屋(通称・赤レンガ)をカフェとして再活用する。すでにパンケーキなどで人気の喫茶全国チェーン「さかい珈琲」の運営会社と、フランチャイズ契約を締結した。モダンな外内装を極力、生かす考えで、7月オープンを目指している。

 赤レンガは、雑穀の仲買などを手掛けた同社の創業者、故宮本富次郎氏が事業で得た財産を使って建設した。1919年の完成とされる。

 木骨造り2階建てで、外壁にレンガを施したヨーロッパ様式の重厚な造り。床面積は延べ178平方メートル。2017年に国の同文化財に登録された。同社は「多くの人に歴史や文化に触れてほしい」との思いから、登録前後からイベントなどに活用してきた。

 さかい珈琲はJ・ART(本社岐阜)が運営し、関東や東海を中心に19店舗を持つ。北海道は初出店で東北以北でも初。「長時間ゆったり過ごせる」をコンセプトに、女性を中心に客数を伸ばしているという。

 赤レンガは「さかい珈琲帯広店(仮称)」とし、コーヒーやパンケーキ、パスタなどを提供する予定。席数は63席。キッチンは建物横に新築し、春に着工予定。店内ではコンサートや展示会なども積極的に開催していく考えだ。

 事業費は約5000万円。平社長は「さかい珈琲側も国の文化財を活用した店舗展開は初めてと聞く。特にパンケーキは独自の製法で人気」とし、「赤レンガは十勝の財産だと思っている。単なるカフェではなく、文化など人が集う拠点にしたい」と話す。(佐藤いづみ)

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