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サケ倍増予測も6%減 十勝沿岸9月 海水温高く

秋サケ定置網漁の今年の初水揚げ。開始1カ月は低水準となっている(大樹漁港)

 道は7日、秋サケ定置網漁の漁獲速報(9月30日現在)を発表した。えりも以東の西部地区(十勝沿岸など)は46万3350匹で、前年同期より6%(2万9587匹)の減。前年からサケの来遊が倍増すると予測されていたが、開始1カ月の漁は振るわず、低水準で推移している。

 全道は789万4622匹で、0・8%減。内訳はオホーツクが435万2887匹(4・7%減)、根室が120万648匹(5・5%増)、えりも以東は73万931匹(4・5%減)、えりも以西は62万9065匹(23・6%減)、日本海は98万1091匹(47・9%増)となっている。

 十勝沿岸漁業の主力である秋サケ定置網漁は、陸地に近い陸(おか)網が8月30日、沖網は9月1日に解禁。今年の来遊予想は、昨年の2倍との見方もあった。広尾漁協の関係者は「広尾の漁獲量は昨年の7割ほど。型は大きいが水揚げがないと非常に厳しい。今後に期待するしかない」と漏らす。

 道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場(恵庭市)は、沿岸付近の海水温が9月は高かったことを不漁の要因の一つに挙げる。全道的に9月は平年より2度ほど上昇、8月下旬より高い地点もあった。

 河川遡上(そじょう)量は比較的堅調なことから、同試験場では「深い場所から直接川に遡上し、沿岸を回遊せずに定置網に入りにくかったのでは」とみている。

 10月に入って海水温は下がっており、漁獲量も上向きに。漁は最盛期を迎えており、同試験場は「海水温の上昇も解消されている。漁獲量は10月上・中旬にボリュームが多いので期待したい」としている。(安田義教、松村智裕)

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