キルト作家石垣さん120年控えた藤丸に大型作品寄贈「客増へ応援」
来年創業120年を迎える百貨店藤丸(藤本長章社長)をもり立てようと、富良野市でキルト工房「石垣」を主宰する石垣恵美子さん(78)が、約10年かけて仕上げた大型のキルトタペストリー8点を同社に寄贈した。「椿」や「飛蝶桜」など四季を表現した和柄の作品群。現在同店で作品展を開催中の石垣さんは「長年つきあってきた藤丸さんへの感謝の気持ち。集客に少しでも役立ててほしい」と話していた。
石垣さんは26年前、藤丸で開催された世界的に活躍するキルト作家服部早苗氏の作品展を見て感動し、52歳で服部氏の指導を受けキルト製作に打ち込み、2年で講師免状を取得した。和柄の作品作りに力を入れており、作品展を藤丸で定期的に開いている。
寄贈した作品は8点とも、着物地などのパッチワークをつなげた縦横各2・1メートルの土台に、タテ30センチ、横11センチの季節感あるデザインの作品を縫い付けた。具体的には1月は椿、2月が梅、3月が飛蝶桜、10、11月が紅葉、12月が斧琴菊などを表現。2005年まで8年かけて通常作品を作る合間に製作してきた。
石垣さんは10月1日まで藤丸で6年ぶりの作品展を開催中(西野美智子さん=東京=の吊るし飾り展と併展、午前10時~午後7時、最終日は午後4時まで)。27日に藤本社長に直接寄贈した。
石垣さんは「今の私があるのは藤丸のおかげ。周年に合わせ、活用してほしい」と笑顔。藤本社長は「地方百貨店を取り巻く環境は厳しいが、藤丸を思ってくれる気持ちに応えられるよう、来年の120年事業に注力したい」と話した。(佐藤いづみ)