川西長いも 春の目覚め 雪不足心配も…
十勝管内9JAで生産する「十勝川西長いも」の春の収穫が10日、始まった。畑の凍結が緩むのを待つ農家が多いため、初日から作業を始めたのは半数以下となっている。
十勝川西長いもは、秋と翌春に分け収穫する。この冬は「保温材」の役割を果たす雪が少なく、一部で腐敗に伴う収量や品質の低下が懸念されている。腐敗部分はカットし出荷するため、収穫の手間も増えている。
帯広市川西町の大塚知輝さん(40)の畑では同日、0・7ヘクタール分で収穫を開始。重機で1メートルほどの溝を作り、家族やパートの作業員が一本一本丁寧に掘り出した。畑の凍結箇所に注意しながら、ナガイモが傷つかないよう慎重に重機を操作した。ナガイモの腐敗は少なく、大塚さんは「冬を越したことで甘みも増して良いナガイモになっている」と話していた。
腐敗部分をカットしたナガイモは鮮度の低下も早く、JA帯広かわにしでは春の収穫分を優先して選果する予定。昨年秋に収穫し保管してあるナガイモは選果をいったん中断、春の収穫分が終わり次第作業を再開する。(伊藤亮太)