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帯畜大屋上で養蜂事業 地域活性化へ学生が計画

養蜂事業に取り組む萬田さん(右)と小池教授

 帯広畜産大学の屋上で養蜂を行い、畜大ブランドの蜂蜜販売を目指す学生主体の計画が動きだしている。計画初年度の2018年度はミツバチの管理方法や植物が受粉するかを確認し、19年度から本格的に蜂蜜を採取する考え。発案者の萬田明さん(22)=畜産科学課程3年=は「ミツバチで地域や農業、大学を活性化したい」と話している。ハチの越冬方法も研究する。

 学生主体で、地域活性化を図る「ちくだいらんぷ事業」の一環で取り組む。

 ミツバチは気温8度を下回ると越冬できないとされるため、今年5~6月ごろに、ハチ約2万5000匹が入った巣箱2個を大学内の農場近くに設置。学内で栽培するイチゴや牧草などが受粉するか確認する。巣箱とハチは、市庁舎屋上で養蜂事業を進める東京都清瀬市から借りる。

 養蜂事業を行うには、養蜂振興法に基づき、道への届け出が必要。だが、申請が間に合わず、18年度は蜂蜜を採取できない。19年度からは大学屋上で本格的に養蜂を実施する。ハチは当面、清瀬市に送って越冬させるが、地熱やボイラー熱などを活用して大学構内で越冬できないか探る。養蜂関係者によると、道内でハチを越冬させる養蜂事業者は少ないという。

 萬田さんが養蜂に興味を持ったのは、16年にワーキング・ホリデーで滞在したカナダでの体験。昆虫は大嫌いだったが、訪れた養蜂場でしたたり落ちる蜂蜜のおいしさに感動した。萬田さんは「ミツバチは子どもや仲間のために餌を取る社会性があり、人間みたいで面白い」と魅力を語る。蜂蜜は十勝の食材と組み合わせ、地域活性化につなげたい考えだ。

 一連の取り組みは養蜂のほか、ハチミツの成分分析やハチの病気研究など学術分野にも活用する。指導する小池正徳教授(55)は「将来的には学生の実習にも活用したい」と話す。
(池谷智仁)

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