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豊頃ジュエリーアイス 発生日を推定へ 北見工大が調査

小型カメラを設置して撮影角度などを確かめる吉川助教(左)

 【豊頃】真冬の大津海岸に打ち上げられる十勝川由来の氷塊「ジュエリーアイス」の発生時期を科学的に解明する研究を11日、北見工業大の吉川泰弘助教らが始めた。透明できれいな氷が打ち上げられる日が推定できれば、観光客の満足度を高められ、学術的解説で観光PRにも役立ちそうだ。

 ジュエリーアイスが昨冬から国内外に注目される中、町役場には発生日をたずねる遠方からの問い合わせが相次いでいる。しかし自然現象のため発生確率を出せない悩みがあった。

 研究では、気温や、潮位と水位の差をもとに発生時期との関係を調べる。町観光協会のホームページで過去3年間、ジュエリーアイスが打ち上げられた記録日から潮汐(ちょうせき)変動の差との関係性があると仮定している。

 11日は大津海岸に小型カメラを設置。測量会社の福田水文センター(札幌)が無償で協力した。10分おきに動画10秒と静止画1枚が記録され、夜間でも撮影可能な赤外線カメラも設置している。カメラは十勝川河口など計5カ所に6台設置し、データを蓄積して定期的に回収していく。

 氷が打ち上げられる日時や、川の氷が破壊して流下する場面をとらえて気象や潮汐データなどとの関係性を調べる。来年3月16日までを予定している。

 来年1月15、16日には十勝川から大津海岸まで氷が打ち上げられる経路を調べるため、氷に見立てた箱にGPS(全地球測位システム)を付けて十勝川河口から流す。ドローン(小型無人飛行機)を使った撮影も予定している。

 研究費は北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)=札幌=の40万円を活用する。結氷河川を研究してきた吉川助教は「ジュエリーアイスは、いつ打ち上げられ、どれくらいの期間存在するか分かっていない。連続的なデータを取ることで解明し、観光に貢献したい」と話す。(関坂典生)

関連写真

  • 小型カメラを設置して撮影角度などを確かめる吉川助教(左から2番目)

    小型カメラを設置して撮影角度などを確かめる吉川助教(左から2番目)

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