ミサイル発射で道、市町村対応 緊急テレビ会議も
道や管内の市町村などは被害状況の確認や住民への情報発信に追われた。管内で正午までに被害の報告はないが、ミサイルが北海道上空を通過しただけに庁舎内に緊張が走り、担当職員が早朝から関係機関との連絡、情報収集に当たった。
政府が全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じて伝えた情報を基に、市町村は住民に情報を伝達。防災無線や防災情報メール、屋外の拡声器などの方法で、「頑丈な建物や地下に避難してください」などの内容を音声や文で伝えた。十勝総合振興局によると、管内で正午までに被害や落下物などの報告はない。
帯広市では午前6時半までに、副市長や防災担当の職員が出勤。市民からは避難所開設の有無や、「携帯が鳴ったがどうすればいいか」という問い合わせがあり、市は「着弾はしていないので冷静に行動してほしい」と呼び掛けた。更別村などでも職員が登庁し、「ミサイルは通過したものの、いつ気を緩めていいのか分からない」(同村総務課)と緊張感を漂わせた。
道は第1非常配備体制を取り、道内市町村へ被害情報などの収集に当たった。十勝総合振興局は、管内市町村と連絡を取り、Jアラートの作動状況や被害状況を札幌の本庁に伝達した。午前9時からは、本庁と道内14振興局などを結ぶ緊急テレビ会議が開かれ、情報収集と住民が的確な避難行動を取れるように対応することを確認した。
稚内市に出張中の高橋知事からは「重大かつ深刻な事態を断じて容認できない。国連安保理決議に明確に違反する暴挙を繰り返すことのないよう国に適切な対処を強く求めていきたい」と述べた。会議後に同振興局の梶田敏博局長は「(ミサイル発射は)起こってはいけないことだが、想定した対応が必要。市町村と連携を密に住民の安全確保に努めたい」と話した。