「五輪」で一番を 長島圭一郎都内で復帰会見
【東京】2010年バンクーバー五輪スピードスケート男子500メートル銀メダリストの長島圭一郎(34)=池田町出身=が4日午後、都内で記者会見し、現役復帰を表明した。スポンサーを探しながら帯広と長野を拠点に活動し、既に氷上、陸上で本格的なトレーニングを始めていることを明らかにした。「五輪で一番を取りたい」と、18年の平昌五輪でのメダル獲得を目標に掲げ、16年シーズンも含め、早期の競技参戦を目指す考えを示した。
長島は黒のスーツ姿で会見場に姿を見せた。昨年4月の現役引退後、子供たちへの指導を通じ、今春ごろから現役復帰への思いが強まったと説明した。「原点に返り、スピードスケートのことを考える一年だった。自分の中にスケーターとしての自分がいて、思い切りスピードスケートをしたいと思った」と語り、「年齢も含め不安は一切ない」と言い切った。
「自分のやり方で挑戦する」と繰り返し、練習方法や内容も過去3度の五輪出場経験を基に自分流で臨む考えを示した。「子供のころから金(メダル)を取れると思っていて、銀(メダル)しか取れなかった。自分に才能がなかったという気持ちを確認することはつらいことだったが、(才能が)ないならないなりに、またチャレンジしたいと思った」と、再び頂点を目指す思いを述べた。
かつての所属先の日本電産サンキョーで、選手兼監督で競技を継続する加藤条治についての質問には、「僕は僕のやり方でやりたい。自分に集中してやる」とした。同社の永守重信会長には電話で復帰を報告したとし、「『とにかく頑張ってみろ』と言われた」と明かした。
具体的な復帰戦の予定は挙げなかったが「できれば1戦目から出たい。なるべく早くやりたい」と話し、所属先探しや参加資格手続きと並行して早急に準備を進める考えを示した。平昌五輪を「一日一日仕上げることで徐々に見えてくる」と見据え、「僕の中で一番の大会の五輪で1番を取りたい。ただそれだけの気持ち」と強い意欲を見せた。
所属先が決まるまでの自己トレーニングを「周囲に個人練習の選手も多いので、手を組み活動できれば」とした。既に2日から本格的なトレーニングを開始し、自転車トレーニングなどの体作りに加え氷上でのトレーニングも進めているという。「すごく楽しくスケートをやらせてもらっている」と充実感をにじませ、「レースを通じて子供たちにも伝われば」と語った。
(原山知寿子)