源氏物語、幻の絵巻活用し文章教室
源氏物語を題材にした「やさしい文章教室」が7月6日、とかちプラザで開かれる。源氏物語研究家の和田道子さん(72)=帯広=が講師を務め、2011年に存在が確認された、帯広ゆかりの人物が所有する“幻の絵巻”を活用し、作品の魅力を伝える。
源氏物語は平安時代中期の物語で作者は紫式部。天皇の子・光源氏を主人公に、貴族の恋愛や人生などを描いた。和田さんによると、源氏物語絵巻は複数の絵師が約200巻描いたが、存在が確認されているのは20巻弱。
今回、教室で活用するのは、元帯広市職員の西尾和民さん(80)=静岡県在住=が所有する「桐壺」の絵巻3巻。両親から相続した絵巻を徳川美術館(名古屋)に依頼し鑑定した結果、1655年ごろに描かれた新発見の源氏物語絵巻と確認された。
通常の源氏物語絵巻で描かれるのは2~3場面だが、幻の絵巻は15場面と多い。光源氏の初めての参内や、左大臣の娘と結婚する場面などが詳細に描かれている。
和田さんが特に印象に残ったのは光源氏の母の葬儀場面で、「すごい人数が参加していることが分かった。文章だけではイメージできなかった部分の理解が進んだ」という。文章教室では本物の絵巻ではなく、プリントを使用する。西尾さんは「絵巻が活用されるのはうれしい」と話す。
教室は午後1時15分から同2時45分まで。受講料500円(ほかに資料代500円)。今月30日締め切り。申し込みは同教室(0155・47・7101、または090・9518・0345)へ。(池谷智仁)