政治に関心持って 飲食店で「選挙割」 帯広・音更
今夏の参院選を前に選挙への関心を高めようと、音更町職員の本田和彦さん(44)と知人で札幌市のプロカメラマンやもとかおるさん(43)が、帯広や音更の飲食店と連携し、投票に行った人が店で割引やサービスを受けられる「選挙割@とかち2016」を始める。複数の店舗を巻き込んだこの種の取り組みは道内では初めて。2人は「これを機に、行政・政治への関心が広まってくれれば」と期待している。
東京などの首都圏では20年ほど前、商店街が中心となって同様の取り組みを行い、商店街振興にもつながったという。2人はこれに着目。実行委員会を立ち上げ、各店に協力を呼び掛けたところ、7店舗の賛同を得た。札幌のやもとさんが関わっているのは、十勝での取り組みを道央圏にも伝え、全道に波及する効果を狙ってのことという。
「選挙割」を受ける方法は、選挙期間中に投票に行き、会場入り口で投票所と分かる自分や家族が入った写真を撮影し、参加店で提示するだけ。各店では「ドリンク1杯無料」「割引券を配布」などのサービスが受けられる。7月投開票の参院選に合わせ、選挙割の実施期間は期日前投票開始日から同月末まで。
この取り組みには、新たに選挙権を得る18、19歳や子育て世代を応援する目的もあるため、これらの対象者へのサービスが充実している。さらに、十勝に限らず、全国のどこで投票した人も対象とすることで、管外からの誘客を期待し、地域経済活性化につなげようとの狙いもある。
選挙割の証明用に撮った写真で「自撮り写真コンテスト」も行う予定。ユニークな写真を撮った3人に、十勝の特産品を贈る企画も用意している。
4歳の娘を持つ音更町内の主婦山田直美さん(37)は「サービスをきっかけに投票に行き、今後、選挙や政治に関心を持つ人もいるのでは」。参加店で「カフェティークママ」を運営する北のハウス(帯広)の小田衣代社長は「今回の参院選は18歳以上が投票する最初の選挙。多くの人が投票に行き、店も利用してもらって多くの人に知ってもらえれば」と期待する。
内容の詳細や今後の情報は、専用のフェイスブックページ「選挙割@とかち2016」で発信する。本田さんは「今まで選挙に関心のなかった人や、将来を担う若者・子育て世代がもっと参加するまちづくりにつながってほしい。取り組みが各地に広がり、地域経済にもプラスになれば」と話している。(川野遼介)