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大樹の米山博子さん、ガーナで絵本出版

ガーナと日本で出版した「サラガのバオバブ」を紹介する米山さん

 【大樹】町萠和のペンション「インカルシペ白樺」(米山有年オーナー)で運営を手伝う、オーナーの・長女・米山博子さん(56)≒帯広在住≒がアフリカのガーナで絵本を出版した。同国在住時に見聞きした奴隷貿易の話を題材にした作品で、米山さんは「世界の子供たちに本が届き、苦難に遭っても勇気と希望を持って生きられる糧になれば」と話している。

 本のタイトルは「THE BAOBAB TREE OF SALAGA」。2008年に新日本出版社から、日本語版「サラガのバオバブ」として販売。今回英語で出版するに当たり、文章や表現を練り直し、9月末にガーナでも出版した。

 西アフリカで最大の奴隷市場があったというガーナのサラガという街が舞台。取り引きされる前に奴隷がつながれていたバオバブの木と、奴隷としてアメリカ大陸に売られる少年の話を描いている。

 米山さんは1994年から今年までガーナ大学で日本語講師をしており、奴隷貿易の歴史をたどる同国外務省の会議に一般参加したのが出版のきっかけ。サラガを訪問して現地の部族長にバオバブが実在していたときの話などを聞き、認識を深めてきた。

 当初から英語と日本語の両方で制作を進めていたが、縁があった日本での出版が先に実現した。その後、ガーナの出版社に売り込み同国での出版にこぎ着けた。米山さんは「物語の舞台での出版という夢がやっとかない、何よりうれしい」と話す。

 今後、絵本をガーナで仕入れ、本を片手に当時奴隷貿易に関わったアメリカやヨーロッパに読み聞かせの旅に出るという。米山さんは「世界の子供たちに絵本を見せ、人間のあるべき姿を語り合い、一緒に考えたい」と話している。(伊藤亮太)

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