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道高文連書道で三条・山田さん、江陵・乙部さん全国へ

「灌頂記」の臨書で全国大会出場を決めた山田さん

 第49回全道高等学校書道展・研究大会(10月7~9日・稚内市)で、十勝管内からは山田彩乃さん(帯広三条2年)と乙部日菜さん(江陵2年)が来年7月に広島県で開かれる全国高校総合文化祭(総文祭)の出場権を得た。初出場となる2人は「全国に向け、さらに鍛錬したい」と意欲を燃やしている。

 全道大会には、道内の各高校書道部から部員らが集まった。事前応募の作品が展示され、その中から17人が総文祭の推薦候補者に選ばれた。

 山田さんは、平安時代に空海が密教儀式の参加者の名前をつづった「灌頂記(かんちょうき)」の一節を臨書でしたためた。原文は名前と所属寺、得仏(とくぶつ)名が書かれており、作意がないため、得仏名などは速書きしているのが特徴。山田さんは2年生から本格的に空海の書に取り組み、今回の出品作については「かっちりした感じにならないよう、バランスや配置、リズムを意識して書いた」という。

 総文祭出場を決め、「驚きで、最初は実感が湧かなかった」と山田さん。全国への出品作は同部顧問の田原志津子教諭と相談しながら取り組む予定で、「自分らしい字を書きたい」と力を込める。 

大胆な配置バランスで仕上げた作品と乙部さん

 乙部さんは創作で近代詩文書に取り組んだ。好きなアニメ映画「時をかける少女」をイメージし、自作の言葉で「瞳響く時の中で君を探す」(半切サイズ)を仕上げた。250枚以上書いたが、なかなか納得がいかず、応募最終日前日に書いた55枚の中の1枚を出した。「字の崩し方や、空間をいかに美しく見せるかにこだわった」と話す。

 高文連の全国出場経験がある顧問・石原伸弥教諭の指導を受けた乙部さん。高校入学までは書道との関わりは学校の授業程度だったが、「そんな自分が大きな結果を出せた。発表を聞いて号泣してしまった。全国でも結果を出したい」と意欲を燃やす。(松田亜弓、佐藤いづみ)

 この他の管内の入賞者は次の通り。(敬称略) 

 ◇道高校文化連盟賞=堀口香菜子(帯広三条3年)春日彩花(同同)新谷咲子(同同)松寿春華(同同)太田愛(帯広柏葉)小川あかね(江陵3年)河合千紘(帯広南商業3年)西村ゆう(清水3年) 

 ◇優秀賞=佐々木美奈実(清水1年)高間有希(帯広南商業2年)相樂まゆ(帯広大谷2年)中山初音(帯広南商業2年)酒井柚子(同同)杉健一郎(江陵2年)松浦友哉(同同)左手千尋(帯広柏葉2年)

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  • 書道部みんなで乙部さんの全国行きを喜ぶ(左が石原教諭)

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