中学生「服」で難民支援 上士幌中と勇足中がユニクロと協力
【上士幌・本別】上士幌中学校(関根秀美校長、生徒118人)と本別の勇足中学校(上田禎子校長、生徒20人)が、カジュアル衣料品店「ユニクロ」と共同で「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」に取り組んでいる。十勝の教育機関としては初の試み。家庭で不要になった子供服を世界各地の難民や被災した子供たちに届ける活動で、協力を呼び掛けている。
同プロジェクトは、全国の小・中・高の子供たちが主体となって着なくなった子供服を集めることで、難民問題や国際協力に関心を深めてもらう狙いがある。2009年に始まり、昨年度は120校、約1万6500人が協力。今年度は過去最高の239校に上り、上士幌、勇足の両中はいずれも生徒会が中心となって活動を進めている。
このうち上士幌中では、秋林瑠々生徒会長=3年=が昨春にユニクロ帯広店で同プロジェクトを知ったのを機に参加を申し込んだ。6月23日に全校生徒対象の出前授業が行われ、同店の店長と道東のユニクロ店舗を統括するエリアマネジャーを招いて人命を守る服の役割や難民の暮らしぶりなどの説明を受けた。その後は1階玄関前のホールに回収ボックスを2箱置いたところ、既に2箱分の子供服が集まっており、10月9日まで寄付を募っている。
賛同の輪を広げようと、今月26日には生徒会の6人が上士幌小を訪問。5、6年生に同プロジェクトの趣旨や協力を呼び掛けた上、保護者向けの案内文書を配布した他、玄関前にポスターを張って回収ボックスを3箱設置した。
近日中に町内の図書館や認定こども園にも同様に回収ボックスを置き、9月30日まで回収する予定だ。秋林会長は「衣服を必要とする世界中の人々の役に少しでも立ちたい」と話している。
一方、勇足中でも6月25日に東京からユニクロの社員を招いた全校集会を行い、校内にポスターを掲示するなどして周知している。生徒会が窓口となって11月いっぱいまで回収する予定で、現在は地域の協力もあって段ボール数個分が集まっているという。鴨井伶旺生徒会長(3年)は「世界中に自分たちが使わなくなった服を必要とする人がいると知った。できるだけ多くの服を集めて難民キャンプの子供たちに喜んでもらいたい」としている。(小縣大輝)
◆「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」について
・プロジェクト概要-ユニクロ公式ホームページ