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伊関悠、日立退部し現役引退 バレーボール

帯南商高の後輩や恩師の冨田誠治監督(後列右端)らに囲まれて笑顔を見せる伊関悠(前列中央)。短い現役生活だったが完全燃焼した

 帯南商高出身で、バレーボールの国内最高峰のプレミアリーグで戦った伊関悠(はるか、23)が、所属していた日立リヴァーレを退部し、第一線から退いた。相手アタックの読みとボールへの反応の良さで、リベロとして156センチの体を目いっぱい動かしてきた。右膝手術も乗り越えてコートに復帰するなど「ずっとバレーボールと向き合ってきた。未練はない」と、短い現役生活ながらも完全燃焼した。(北雅貴)

 伊関は豊頃町生まれ。豊頃中時にはアタッカーとして活躍、道中体連で準優勝して全国大会にも進んだ。全国都道府県対抗大会には道選抜のリベロで出場。帯南商高で本格的に同ポジションに転向した。主将を務めた3年時には道高体連で初優勝するなど、全国の舞台を3度経験した。

 高校卒業後に、当時チャレンジリーグ(2部相当)の日立に入団。1年目から試合に出場した。2013年にプレミアリーグに昇格し、管内初のプレミア選手となった。このころから、スピードとパワーの違いに「毎日辞めたい気持ちだった」と苦しんだ1年目から大きく成長。体の軸がぶれなくなり、レシーブに手応えを感じ始めていた。同年11月の開幕戦はレシーバーとして途中出場し、日本バレーボール界のトップリーグのコートに立った。

 順調だったが、12月上旬の練習中に右膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂。14年1月に手術し、同シーズンを棒に振った。チームを離れ、厳しく孤独なリハビリとトレーニングの毎日。力が入らず動かない右足を見て悔し涙を流したこともあった。チームメートで親友の佐々木美麗(22)と交わした「また一緒に同じコートで試合をしよう」との約束を励みに、10月ごろにチームに合流。ただ、膝を無意識のうちにかばった影響か、今度は腰痛を発症した。11月に開幕した昨季はベンチ入りは果たすも、出場はならず。練習で以前は拾えていたボールも取れないことも多く、昨年末に「このシーズン限りで引退しよう」と決意を固めた。

 うれしいこともあった。今年5月上旬の黒鷲旗全日本男女選抜大会では全試合ベンチ入りし、1回戦の第3セットに出場。約15分間コートに立ち、佐々木との約束も果たした。高校時代の恩師、冨田誠治帯南商高監督は「あの身長でプレミアリーグを生き抜くことは奇跡。十勝や北海道の背の低い選手たちに勇気を与えた。ひたむきで一本気。指導者の27年間でナンバーワンの選手」と、これまでの努力に敬意を表した。

 すべてが順調だった訳ではないバレー人生は、かえって大きな財産となる。今後の進路は未定だが、「プレミアリーグを経験できたのも帯広、十勝のおかげ。これからは地元に恩返しできれば」と目を輝かせた。

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