男子三段跳び水谷初V、竹村2位 全道高体連陸上
【札幌】全道高体連大会の陸上競技最終日は19日、札幌市厚別公園競技場で10種目の決勝と女子7種競技の後半3種目を行った。十勝勢は男子三段跳びで水谷司(帯農2年)が追い風参考ながら15メートル台をマークして初制覇し、竹村柾人(白樺学園3年)が2位に入った。十勝勢の1、2位独占は、2008年の皆川澄人、小西康道(いずれも当時白樺学園3年)以来4度目。水谷と竹村は走り幅跳びとの2種目で全国高校総体(インターハイ・7月29日~8月2日、和歌山県)に出場する。同110メートルハードルは北山大智(帯南商3年)が16秒14で4位となり、初の全国大会の権利を得た。学校対抗では帯農男女が、フィールド部門(投てき、跳躍)でそれぞれ2位となった。(北雅貴、浅利圭一郎、金野和彦)
◆優勝の水谷司「西山先生との約束果たせた」
男子三段跳びの水谷司は表彰台の一番上で満面に笑みを浮かべた。「優勝は西山(修一)先生と約束していた。果たせてほっとしている」と話した。
高校入学後に始めた三段跳びで、昨年の道高体連ではいきなり2位に入りインターハイに出場した。今大会は優勝候補の筆頭として臨み、順当に結果を出した。決勝の2回目に14メートル88を出して1位に。両足首をけがしていることもあり、3回目をパスして力をためる冷静さも光った。「ホップは浮きすぎず前に跳び、ステップはためをつくることを意識した」という5回目に、15メートル23を出した。強い追い風(5・3メートル)の中での参考記録だったが「公認でも14メートルの後半はいっていた感覚」と手応えを感じていた。初日の16日の走り幅跳び終了後に、足をつって病院で治療を受けた影響を感じさせなかった。
両足首の故障でほとんど練習ができずに臨んだ今大会。水谷の素質を高く買っている西山監督と、優勝できなかったら髪を切り丸坊主にする約束を交わしていた。「(坊主頭は)絶対嫌だった。プレッシャーを感じた」と苦笑い。昨年のインターハイは13メートル96で予選落ちしている。今年は勝負にいく。43年間破られていない道高校記録の15メートル50を目標にして入賞を狙う。
◆竹村柾人、水谷をライバルに成長
竹村柾人は全国を見据えて、三段跳びの助走で新たな取り組みを試みた。通常はスピードを抑えがちになってしまうが、走り幅跳びと同様に勢いを付けて突っ込んだ。2本のファウルを除き、残りの4本全てで14メートル台の結果を残した。
1本目でトップに立ったが、3位に落ちて臨んだ最終試技は追い風(3・7メートル)参考記録ながら14メートル60の好ジャンプ。2位に浮上して終え、「百点満点」と自己分析した。
小西康道コーチが白樺学園高2年時に全国王者になった際は全道では14メートル70で2位。チームメートの皆川澄人と切磋琢磨(せっさたくま)して成長した。今回の竹村も学校は違えども水谷を「良いライバルだと思っている」と捉えている。小西コーチは「当時と似ている。全国では何かが起きるのでは」と期待する。竹村は「きょうの感覚を忘れず、インターハイでは挑戦していきたい」と、気合を入れていた。
◆北山大智、帯南商唯一の全国出場決めて「ほっ」
「初のインターハイを決められてほっとしている」。男子110メートル障害で4位に入った北山大智は、安堵(あんど)の表情を浮かべた。
帯南商の“最後のとりで”だった。期待された女子1600メートルリレーも決勝進出はかなわず、全国切符を誰も獲得できていなかった。リレーメンバーたちから「頑張って」と激励を受けて、準決勝を勝ち上がり決勝に臨んだ。
向かい風3・7メートルの悪コンディション。スタートは成功したが、1台目のハードルで「高く跳びすぎて風を受けて失速してしまった」と冷や汗をかいた。昨年は6位に0秒03差の小差で7位。同じ悔しさを味わいたくないと足を動かした執念が実った。大舞台では十勝高校記録の15秒64の更新を目指す。
◆学校対抗男女各フィールド2位・帯農の西山修一監督の話
大会前半に取りこぼしもあったが、選手たちはよく戦ってくれた。これからまた新たなスタート。戦力も充実しており、毎年少しずつ成長していけるように頑張りたい。
(関係分、決勝は2位以下関係分)
【男子】
<予選>
◇110メートル障害
▽1組
(5)掛下将吾(白樺学園)17秒87
(7)吉田康記(帯緑陽)18秒86・以上敗退
▽2組
(2)北山大智(帯南商)15秒92
(4)後藤矢(帯農)17秒00・以上準決勝へ
▽6組
(4)丸次悠太(白樺学園)17秒44・準決勝へ
◇三段飛び
▽1組
(4)竹村柾人(白樺学園)13メートル20・決勝へ
(12)玉置真希斗(帯農)12メートル86
(19)熊田和真(帯南商)11メートル95
(23)野村錬(白樺学園)11メートル63・以上敗退
▽2組
(1)水谷司(帯農)14メートル33・決勝へ
◇砲丸投げ
▽1組
(12)孫崎陸(鹿追)11メートル04
(14)竹中一晃(池田)10メートル75
(15)牧村翼(帯農)10メートル60・以上敗退
▽2組
(7)小沼理久(帯農)11メートル88
(10)林大雅(白樺学園)11メートル44
(13)緑川陽太(鹿追)10メートル95・以上敗退
<準決勝>
◇110メートル障害
▽1組
(2)北山大智(帯南商)15秒91・決勝へ
▽3組
(6)後藤矢(帯農)16秒90
(7)丸次悠太(白樺学園)17秒09・以上敗退
◇1600メートルリレー
▽1組
(3)白樺学園(井出啓貴、藤澤真広、山崎海杜、類家大樹)3分24秒86・決勝へ
▽3組
(8)帯農(塩谷浩輔、大浦寛貴、鳴海真也、鳴海佑斗)3分31秒68・敗退
<決勝>
(6位までがインターハイへ、競歩は4位まで)
◇200メートル
(1)高松祐孝(道栄)21秒72
◇110メートル障害
(1)藤田堅斗(札幌創成)15秒57
(4)北山大智(帯南商)16秒14
◇3000メートル障害
(1)ジョセフ・カリウキ(札幌山の手)9分15秒88
◇5000メートル競歩
(1)村尾宥稀(札幌東)23分31秒37
(21)出崎悠人(帯柏葉)29分39秒78
(25)阿部冬星(同)29分56秒92
(26)内海凌(同)30分27秒14
(29)長谷川皓生(帯三条)32分52秒68
◇1600メートルリレー
(1)立命館慶祥(前田智教、富山大夢、井上悠也、伊深愛生)3分13秒81・道高校新、大会新
(7)白樺学園(佐々木大、藤澤真広、山崎海杜、類家大樹)3分23秒09
◇三段跳び
(1)水谷司(帯農)15メートル23(追い風5・3メートル・追い風参考)
(2)竹村柾人(白樺学園)14メートル60(同3・7メートル・同)
◇砲丸投げ
(1)西田健修(弟子屈)14メートル90
◇学校対抗(2位以下関係分)
▽トラック
(1)道栄63・5点
(12)白樺学園12点
(26)帯南商5点
▽フィールド
(1)恵庭南32点
(2)帯農26点
(5)白樺学園12点
▽総合
(1)道栄74・5点
(6)帯農26点
(7)白樺学園24点
(45)帯南商5点
【女子】
<準決勝>
◇200メートル
▽1組
(7)藤澤優希(帯農)27秒58・敗退
◇1600メートルリレー
▽1組
(4)帯南商(川原愛咲、岩舘紗也、冨田みはる、朴虹歩)4分8秒87
(8)帯三条(櫻井詩穂、勝谷沙優、土田あすか、尾西陽菜子)4分16秒64・以上敗退
▽2組
(7)帯農(高橋優希、水口可南、辻本ひらり、鶴井萌佳)4分14秒16・敗退
<決勝>
◇200メートル
(1)清野ひかり(立命館慶祥)25秒83
◇3000メートル
(1)加藤凪紗(札幌日大)9分42秒44
(11)千頭可奈(帯農)10分58秒93
(15)中村優里(同)11分15秒29
◇1600メートルリレー
(1)立命館慶祥(清野ひかり、葛綿みなみ、林理紗、荒谷真由)3分54秒70
◇七種競技
(1)永井梨々夏(恵庭北)4450点
(22)三好ゆき菜(帯柏葉)2430点
(28)畠山楓(帯農)2162点
(30)西藤玲魅(同)1973点
◇学校対抗(2位以下関係分)
▽トラック
(1)立命館慶祥78点
(14)帯農7点
(19)帯三条5点
▽フィールド
(1)旭川東30点
(2)帯農28点
(12)帯三条6点
▽総合
(1)立命館慶祥88点
(5)帯農35点
(15)帯三条11点