芽室で牛舎倒壊、トムラウシ孤立続く
発達した低気圧の影響で、十勝地方は10日、全域で大荒れとなった。芽室町雄馬別では牛舎1棟が倒壊し牛が下敷きとなり、JRや飛行機の運休も相次いだ。雪崩が発生し通行止めとなった道道忠別清水線では、トムラウシ地区の住民らの孤立状態が続く。帯広測候所は、沿岸部では11日夜遅くまで高波に警戒するよう呼び掛けている。
同測候所によると、降り始めからの降雪量は中札内村上札内33センチ、新得30センチ、帯広空港28センチ、広尾23センチ、芽室22センチ、帯広21センチなど。11日午前0時現在の積雪量はぬかびら源泉郷で138センチ、帯広空港で104センチで、3月としては最深に。10日の日1時間最大降水量は帯広(12ミリ)など6地点、日降水量も大樹(99ミリ)など3地点で3月としての最高値を更新した。十勝北部と中部に強風、南部に風雪注意報を継続している。
10日午後3時には芽室町雄馬別の酪農家が所有する牛舎1棟が倒壊。けが人はなかった。屋根や柱の下敷きになった牛もいたが、近隣住民が協力して助け、死んだ牛はいなかった。
同農家によると、牛舎は築30年以上の木造で約20頭の乳牛がいた。屋根に積もった水分の多い雪の重みで崩れたとみられる。
十勝総合振興局によると、陸別町でD型ハウス、納屋などに損壊の被害が出た。この他、ビニールハウスなどの被害が出てくる可能性もある。10日夕から夜にかけ、雪や倒木が接触するなどして足寄と新得の計51戸で停電となったが同日中に復旧。同日は管内の18小・中学校が下校時間を繰り上げた。
トムラウシでは最大42世帯92人とトムラウシ温泉国民宿舎「東大雪荘」の宿泊客と従業員59人が孤立状態。避難所となった富村牛小中学校には10日夜、電気工事関係者3人、トラック運転手1人が待機し、町が非常食を届けた。