全技連マイスターに認定 ミドリ写真館の大玉会長
ミドリ写真館(帯広市西1南10)会長の大玉公輝さん(76)が、全技連(全国技能士会連合会)マイスターに認定された。写真の職種では道内2人目、全国でも7人目の快挙。マイスターには後進の育成や技能の伝承が期待され、大玉さんは「若い人や子供たちに写真に興味を持ってもらえるような活動をしていきたい」と意欲を燃やしている。
全技連マイスターは、技能検定特級・1級に合格し、20年以上の実務経験と活動実績があって後進の育成などに熱心な技能士を認定する制度。厚労相が認定する「卓越した技能者」(現代の名工)に次ぐ名誉ある資格で、60職種で計1674人が認定を受けている。
大玉さんは帯広出身。帯広第一中卒業後、写真の道へ。札幌や東京で9年間修業を積んだ後、父親が営んでいた同写真館に戻った。働きだして初めて「学歴がないことを後悔した」と言い、「自分の知識や技術を証明する資格を」と、1978年に技能検定1級を取得した。
写真コンテストにも積極的に挑戦し、数々の賞を獲得した。写真業界の発展にも尽力し、道写真館連合会十勝支部長を務めた他、現在も帯広写真師会会長、道写真技能士会会長として活動している。
こうした実績が評価され、道技能士会などからマイスター認定の推薦を受けた。書類審査の後、8月に東京で行われた2次審査では、全国から集まったさまざまな職種の技能士約100人が、それぞれマイスターになったらどのように活動していきたいかを語り合った。大玉さんは子供たちに写真の魅力を伝えていきたいという志を語った。
11月5日に認定証を授与された大玉さんは「僕の活動を認めて推薦してくれた仲間のおかげ」と感謝する。今後はマイスターとして、後継者不足から廃業が相次ぐ写真館業界の地位向上に努めたいという。そのために、写真を楽しむ層の開拓を目指している。
具体的な構想として、帯広まちなか歩行者天国の会場などで、アンティークカメラを展示して子供たちに触れてもらう機会を設けたいという。また、巨大なピンホールカメラを作り、子供たちが中に入って写真の原理を体感できる仕掛けも考えている。
大玉さんは「銀塩で覚えた技術をデジタルの時代で伝えていくのは難しいが、両方の良さを生かして、どうやったら子供たちが写真に興味を持ってもらえるか、仲間と一緒に考えていきたい」と話している。(丹羽恭太)