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日本一の清流歴舟川 まちマイ大樹編

会の活動について説明する伏見さん

 大樹町の母なる川「歴舟川」は、他の町村をまたがずに1町のみを流れる珍しい川だけに、町民の愛着もひとしおだ。「歴舟川の清流を守る会」事務局長の伏見松男さん(69)は「清流度は日本一の川」と誇らしげに語る。

 大きな特徴として、豊かできれいな水資源に恵まれていることが挙げられる。町の水道は全てこの川から供給され、1日の給水量は6150立方メートル、町B&Gセンタープールの15杯分に相当する。

 環境省が実施している公共水域水質測定では、1987年からこれまでに9回、日本一きれいな川に選定されている。しかし、第1回の測定から3年連続で選定された後、4度目に日本一を逃した。これをきっかけに町民有志が立ち上がり、1992年に同会を設立した。「それまでは何もしないでもきれいな川だったが、清流を守るためには努力する必要があることが分かった」(伏見さん)という。

 ごみ拾いや、家畜ふん尿が川に流入する場所の調査など、地道な取り組みが実を結び、2000年には7年ぶりに日本一に返り咲いた。当初10数人だった会員も、現在は約60人を数える。

 同会は現在、川の環境調査や清掃、啓発活動、子供向けの野外授業などに取り組んでいる。2年前に始めたヤマメの放流会は、ヤマメとの触れ合いを通じて自然を守る心を育めるとして、家族連れにも人気の行事だ。伏見さんは「森や海、生き物など、周りの環境が見えないところで川に影響し、川の変化もまた周囲に影響を与えている。歴舟川を調べると、その周りの環境も見えてくる」と語る。(大木祐介)


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