陸別開拓の祖・関寛斎の生涯描く ドキュメンタリー映画製作へ
【陸別】陸別開拓の祖・関寛斎(1830~1912年)の激動の生涯を描くドキュメンタリー映画を製作する構想が、15日に陸別町内で開かれた寛斎の命日祭「白里忌」で明らかになった。東京の映画監督山田和広さん(62)が関係者に説明した。
映画のタイトルは「関寛斎~仁に生きる~」。上総国山辺(現千葉県東金市)に生まれてから、陸別町斗満の自宅で服毒自殺するまでの82年間の生涯を、旅人が回想する形で描く。
陸別をはじめ東金市や銚子市、徳島市など寛斎ゆかりの地でロケを行う予定。最新鋭のデジタルハイビジョン作品とし、約120分の映画に仕上げる。寛斎や妻あい、寛斎の生母吉井幸子ら中心人物は俳優を起用する。
寛斎が藩医を務めた徳島出身の山田監督は、日本薬学の父・長井長義の生涯を描いたドラマ「こころざし-舎密(せいみ)~を愛した男」(2010年)の監督を手掛けている。シナリオは札幌のノンフィクション作家合田一道さん。制作費は1億5000万円。
製作準備委員会設立趣意書の中で山田さんは「寛斎の『志』と『強靱』(きょうじん)なる意思』を見つめ、新たな時代変革の只中(ただなか)に生きるわれら、そして未来生きる人々の灯火(ともしび)としたい」とし、「寛斎の生涯を世に問いたいという強い思いがある」と話した。
山田さんはこの日、制作準備委員会の設立や支援者・協賛者を募るためのホームページでの情報発信を提案した。
映画は陸別など寛斎ゆかりの地の他、札幌や東京などでも上映する予定。関寛斎資料館では常設展示も計画されている。
陸別関寛翁顕彰会の河本哲士会長は「陸別のまちおこしにもつながるありがたい話。映画化については全面的に協力していく」と話している。(鈴木裕之)
上総国山辺の農家に生まれる。蘭方医学を学び、徳島藩医や戊辰戦争の官軍軍医長、町医者などを経て、1902(明治35)年、72歳の時、全財産を投じて陸別に入植し、牧場を開拓。後にこの土地を開放して自作農創設を目指したが、夢破れ82歳で服毒自殺した。
◆関寛斎について
・関寛斎-ウィキペディア
・関寛斎の映像作品最優秀 城西国際大メディア学部 陸別開拓たどる-十勝毎日新聞電子版(2013/02/02)
・まちマイ「開拓の祖・医者 関寛斎」-十勝毎日新聞電子版(2013/07/20)
・関寛斎から5代目の子孫が来町 陸別-十勝毎日新聞電子版(2013/07/23)
・関寛斎の子孫が墓参 陸別-十勝毎日新聞電子版(2013/07/20)