昼間は子供向けサロンに 清水・スナック「峰」
【清水】カラオケスナックが昼は子供向けサロンに大変身-。御影地区で唯一の飲み屋「スナック峰」(町御影東3ノ4、遠藤和子ママ)が、10月中旬から営業時間外の日中の店舗を子供でも利用できるレンタルルームとして運営する。遠藤ママのリクエストに応え、北海道芸術高校(町熊牛68、佐藤徳崇校長)の生徒たちが店舗の内外に絵を描いた。店の正面にはかわいらしいクマやヒツジが登場、近くの小学生や保育所園児にも好評だ。
同店は1984年1月にオープン。和子ママの気さくな人柄もあって地域の人たちに長年親しまれ、利用されている。「お世話になった地域への恩返しとして地域が明るくなれることをやりたい」と、4年ほど前から空き時間帯でのカラオケもできるレンタルルームの構想を温めてきた。
今年、店舗設備のレンタル化事業を名目に町商工会を通じて応募した国の「小規模事業者持続化補助金」が採択となり、構想が大きく前進。さらに道芸術高校が来年度に後志管内仁木町に移転するがこととなり、以前から抱いていた願いを思い切って打診し、快諾を得た。
店舗の絵は「子供たちやママ友の集まれる場所」というコンセプトだけを伝え、デザインは「すべてお任せ」。作業は4~6日にマンガ・イラストコースの生徒4人と教師が行った。
完成した外壁の絵は、ぬいぐるみのようなクマとヒツジが描かれており、和子ママは「気持ちがほわっとなる」と一目で気に入った。近所の子供たちにも「かわいい」と人気。知り合いからは「託児所でもやるのかいと聞かれた」と笑う。
店内のキープボトル棚の目隠し扉には影絵のようなネコやペンギン、鍵盤、音符などのシールが貼られ、どれも生徒が手で切り抜いた。安藤國廣教頭は「生徒たちは自由な発想でやらせてもらえ、逆にうれしかった言っていた。学校は清水を離れるが、こうした形で清水の人とつながることができ、よかった」とする。
レンタルルームは予約制。90分間ワンドリンク付きで大人1人500円、子供は300円程度を想定し、カラオケは無料で歌い放題。電子歌本も最新のものに更新した。和子ママは「カラオケボックスもない地域なので、子供や若いママさんたちに利用してもらえれば」と話している。(大野篤志)