原因は車の線路内立ち往生 JR根室線踏切接触事故
帯広市西24南1のJR根室線A団地踏切で20日午後1時ごろ発生した軽乗用車と特急スーパーとかち3号(5両編成、乗員乗客126人)の接触事故は、帯広署などの調べによると、踏切に進入した軽乗用車が誤って線路内に入って立ち往生したことが原因とみられる。軽乗用車を運転していた市内の男性(71)と列車の乗員乗客にけがはなく、大事には至らなかったが、根室線は事故の影響で後続の列車に大幅な遅れや運休が相次いだ。
同署などによると、道道を北進していた軽乗用車が踏切を通行中に線路方向に左折し、線路敷地内で立ち往生しているところに、札幌方向から来た特急列車が軽乗用車の左後部に接触した。特急は当時、時速約100キロで走行していたとみられ、軽乗用車は左後部が壊れ、東方向に十数メートルはね飛ばされた。
男性は運転席にいたが、事故直後に自力で車から脱出。特急は衝突地点から約220メートル先の西帯広駅で緊急停車した。調べに対し、男性は「道路と間違って(線路内に)入った」と話しているという。
根室線は事故後、帯広~芽室間で一時運転を見合わせ、約1時間25分後に運転を再開した。後続の特急4本を含む列車6本に最大約1時間40分の遅れが出た他、普通列車3本が運休し、約830人に影響した。
軽乗用車に接触した特急の乗客は多くが西帯広駅で下車して目的地に急いだ。乗車していた札幌市内の男性(33)は「何が起きたか分からないうちに停車して驚いた。大きな事故にならなくて良かった」、同市内の70代の会社員男性は「2時間近く待たされ、会議に間に合わなくなってしまった」と話していた。ダイヤの混乱により帯広駅などで多くの利用者が足止めされた。
JR北海道釧路支社によると、帯広市内では10号団地踏切で昨年1月にも、踏切から線路方向に車が進入した形跡が見つかり、確認のために列車に遅れが出たケースがあった。同支社では「万が一、線路内で車が止まったら、すぐに踏切(に付いている)非常ボタン(踏切支障報知装置)を押して、車から離れて身の安全を確保して」と呼び掛けている。