ゆず、あすアルバム「新世界」発売 銀の匙主題歌収録
「懐か新しい」音楽届けたい
日本を代表するフォーク・デュオ「ゆず」。19日に発売する通算12枚目のアルバム「新世界」(セーニャ・アンド・カンパニー)には、十勝を舞台にした荒川弘さんの人気漫画「銀の匙(さじ) Silver Spoon」の実写映画(3月7日公開)の主題歌「ひだまり」も収録している。メンバーの北川悠仁さん(37)、岩沢厚治さん(37)に、ニューアルバムや十勝への思いなどを聞いた。(聞き手・岩城由彦)
-ニューアルバムの仕上がりは。
北川 前アルバム(「LAND」)発売から9カ月という過去最短間隔でリリースするアルバム。制作意欲が上がり、すごく集中して良い作品ができました。コンセプトは「懐か新しい」。古き良きものをもう一度見つめつつ、今の時代にどう響かせるか追求しました。新たな「ゆず」の代表曲が詰まったアルバムになったと思います。
-歌い出しからスケール感あふれる「ひだまり」は、十勝の風景にもぴったり。
岩沢 それは良かったです。農業高校の世界は想像できませんでしたが、最初にキーとなった言葉は「青春」。主人公の八軒(勇吾)君が、農業を通じて自分なりに夢を見つけていくあらすじをイメージしながら曲を作りました。曲の断片ができてから原作を読み込み、自分が作った曲と原作はそう遠くないと思い、詞の世界を突き詰めました。
十勝の広さに驚き 北川さん
-その十勝のイメージは。
北川 実は行ったことがあります。父の知り合いが帯広に住んでいたので、小学4~6年の頃は年1回くらい、2、3日ほど遊びに行っていましたね。「すごい広いな」と驚いたのを覚えています。当時の写真を見ても「どこまで大地が続くんだろう」と(笑)。湖にも行きました。パーティーで、サケのちゃんちゃん焼きを食べたのを覚えています。初めて飛行機に乗って行ったのが、十勝なんです。
岩沢 「銀の匙」の実写映画を一足早く見ました。ばんえい競馬は他の映像で見たこともあるのですが、「頑張れ!」とグッと力が入ります。それを題材にしてしまう原作のすごさと、そこで奮闘する若者たちの姿が印象に残っています。
青春キーに曲づくり 岩沢さん
-5月からの全国ツアー初日は札幌。十勝のファンも大勢集まるでしょう。
岩沢 北海道は札幌以外の地域になかなか行けないんですが、ありがたいことに皆さん集まってくれます。デビュー当時から、北海道にはたくさん行かせていただき、いつも温かいお客さまが迎え入れてくれます。今から楽しみにしています。
北川 ツアー初日のライブならではの良さを感じてもらえれば。北海道にはデビュー当時から何度も行き、旭川で「いつか」(1999年)という曲のプロモーションビデオを撮りました。思い出深い北海道には、ツアーがなくてもときどき遊びに行きたいですね。
-今後の活動は。
北川 目の前にツアーが控えているので、ニューアルバムを大切に、全国に届けに行きたい。昨年は「LAND」で日本レコード大賞の最優秀アルバム賞を頂いたり、紅白歌合戦に出場させていただいたりと、ありがたい1年でした。感謝の気持ちを返すべく、今年もたくさんの歌を歌いにいろいろな場所に行き、新曲も出せれば。デビュー18年目ですが、振り返ると、やはりファンの皆さんに支えられ、ファンの皆さんとともに歩んだ日々。自分たちが目指すものの1つは「3世代で聴いてもらえる音楽」なので、これからもいろいろな世代の方に届けたいですね。
-十勝のファンにメッセージを。
北川 また十勝に行ったときは、搾りたての牛乳を飲ませてほしいですね。おなかを壊してもいいから飲みたい(笑)。「銀の匙」で見て、すごくおいしそうだったんですよ。
岩沢 「(ツアーで)道内を回りたい」と、ずっと考えています。十勝には行ったことがないので、観光ガイドなどを開いて、これから足を踏み入れたいと思います(笑)。その節はよろしくお願いします。
1996年3月に結成。横浜市内で路上ライブを重ね、97年にインディーズ・アルバム「ゆずの素」でデビュー。98年、ミニアルバム「ゆずマン」でメジャーデビューした。アテネ五輪のNHK公式テーマソング「栄光の架橋」「夏色」「虹」などヒット曲多数。今月12日に通算41枚目のシングル「ヒカレ」を発売。5月31日の真駒内セキスイハイムアイスアリーナを皮切りに、全国14都市・21公演の「YUZU ARENA TOUR 2014 新世界」がスタート。