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万城目正と昭和を継ぐ会に名称変更、研究も充実 幕別

総会終了後に万城目さんゆかりの歌を全員で合唱した参加者(左から2人目が小助川会長)

 【幕別】町出身の昭和歌謡を代表する作曲家、万城目正氏(1905-68)の冠のついた音楽祭を開催してきた「とかち昭和歌謡の会」(上野敏郎会長)は、「万城目正と昭和歌謡を継ぐ会」に名称を変更、歌イベントだけではなく、その業績や生誕地・幕別町とのかかわりを後世に残すための文化研究活動にも力を入れる。会長に小助川勝義氏(幕別)を選出、第1弾で生涯学習講座を4月に開く。

 新組織では、万城目氏の歌謡曲とその資料を収集し、業績を顕彰し広めるため、遺族やレコード会社、研究者などとも連携し、生誕地幕別町に拠点を置いて活動をする。講座は町百年記念ホールで年3回程度を計画、4月は26日に講演とコンサートを予定している。

 同会は帯広市議の上野会長と小助川氏らが2年前に設立。過去2回音楽祭を開いた。特に初回は万城目氏と親交がある歌手九条まり子氏をゲストに招くなど、歌を通し万城目氏の偉大さを内外に発信した。

 こうした取り組みは町が改めて万城目氏の足跡に目を向けるきっかけにもなり、今年度町教委は同音楽祭と同時期、初めて万城目氏に関する展示会やコンサートを開催。それに先立ち、町教委郷土文化研究員でもある小助川氏が調査する中、万城目氏の長男・雅弘さん(神奈川)と関わりができ、万城目氏使用のピアノで作ったオブジェなどの寄贈にもつながった。

 今までなかった規約を作ろうと進める中、「万城目氏の歌を語り継いでいくためにも、その功績を掘り起こし、多くの人に知ってもらうことが必要」(小助川会長)と、会の方向性も内部で議論してきた。

 26日に百年記念ホールで開かれた同会総会には会員20人余が出席、飯田晴義町教委教育長が来賓であいさつした。議事で名称変更や規約などを承認した。小助川会長は「調査を進める中で新たに分かったこともある。来年は生誕110年にも当たるので記念事業も検討したい」と話している。(佐藤いづみ)

 会長以外の主な役員体制は次の通り(敬称略)。

 ▽顧問=金子隆司(幕別)▽相談役=上野敏郎(帯広)千葉幹雄(幕別)▽副会長=遠藤清一(同)坂下庄蔵(同)稲富鎮恵(帯広)▽事務局長=坂口利雄▽同次長=樋口捷子▽幹事=石川康弘、近藤泰子、三野百合子、横山武、高田実千代、鈴木鉄道▽監査=高橋敏男、増子芳勝(以上幕別)

 〈万城目正(まんじょうめ・ただし〉

 幕別村咾別(町相川地区)生まれで、3歳まで過ごしたとされる。美空ひばりの「東京キッド」などを生み出し、昭和歌謡曲の「作曲御三家」の一人と評された。幕別町歌など町ゆかりの歌も作った。

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