雪不足で氷を“主役”に 第51回おびひろ氷まつり
今冬の異例の雪不足を受け、「第51回おびひろ氷まつり」(会場・帯広市緑ケ丘公園)は、雪の量を約4分の1に減らす代わりに氷を使い、雪像を氷像にするなど“氷が主役”の会場に変更する開催概要を決めた。製作者側は例年とはひと味違うまつりの魅力を発信しようと作業に熱を入れている。
実行委(火ノ川好信実行委員長)によると、雪像などに使う雪の量は当初10トントラック465台分を予定していたが、117台分に大幅減。雪に充てる経費は氷で代用するため、予算に大きな増減はないという。
新たに決まった開催概要では、陸自第4普通科連隊の手掛ける人気漫画「銀の匙(さじ)Silver Spoon」のキャラクター大雪像が氷像に様変わりする他、併設する滑り台(長さ約30メートル、高さ約7メートル、幅約6メートル)に使う雪の量を半減。十勝毎日新聞社も同様、滑り台は雪を使わずに氷などで製作する。
また、帯広青年会議所(帯広JC)と帯広商工会議所青年部(帯広YEG)は、滑り台の配置を急きょ変更。会場西側に位置する雪山の斜面を活用した氷の滑り台を設け、子供が楽しめる広場を用意する。さらに、帯広JCの目玉アトラクション「雪の迷路」は全て氷を代用、過去50年の歴史で初の試みとなる。
25日から製作期間を迎える「市民氷雪像コンクール」は当初の予定通り15基の雪像を設置、19日にも雪の搬入作業に取り掛かる。
氷まつりの原点である氷をメーンとした会場設営の方針に、火ノ川実行委員長は「氷の魅力を生かした新たなまつりの世界を作り上げ、管内外から多くの人でにぎわうことを期待したい」としている。(高津祐也、小縣大輝)