道選抜2連覇 帯大空中3選手貢献 U15アジア軟式野球
軟式野球の第2回U15アジア選手権が11月25日から4日間、台湾・嘉義市で行われ、帯大空中の3年生3選手が加わった道選抜が2連覇を果たした。3人は、学校や後輩たちに活力を与えるとともに、「今回の経験を生かしたい」と次の目標を甲子園出場に切り替えている。(岡部彰広)
3試合好投で優秀賞 阿部
高校で「経験生かしたい」
十勝では野球はオフシーズンだが、台湾では最高気温が25度前後と暖かな中、熱戦が繰り広げられた。帯大空中の後藤博希前主将、エース阿部陽登投手、佐藤翔弥内野手の3人は、金メダルを手に凱旋(がいせん)。学校の仲間から応援の色紙などで激励されていただけに、結果を残しほっとした表情を見せた。同校野球部の二川英史監督は「3人は、レベルの高い道選抜の中でも忠実に動ける選手だった。十分にやってくれた」と目を細める。
3人は、8月の道中学軟式野球連盟旗争奪全道大会に出場した同校の主力。道内13の中学・クラブから選ばれた25人の道選抜の一員として、月2回の練習に参加してきた。大会には日本から道選抜と東北選抜の2チームが出場。外国勢は地元台湾の8チームで、計10チームが頂点を争った。
道選抜は、力のある選手を入れ替わり立ち替わりで出場させ、予選リーグ4戦全勝。計30得点、失点わずか1の圧勝だった。決勝トーナメント準決勝の嘉義縣東石國棒球隊との試合では、佐藤が2番二塁手、後藤が7番遊撃手、阿部が8番投手と、今大会初めて3人が先発および同時出場。阿部は4回を無安打1死球に抑え、決勝進出に貢献した。
阿部は、177センチの上背から投げ下ろす持ち前の速球がさえ、スライダーも効果的に決まった。3試合で8回を投げ、被安打0、18奪三振1死球と圧巻の投球。固いマウンドにてこずりながらも「ベストボールをコースに投げられた」と満足げ。「これまでライバル心を持ったことはなかったが、(道選抜には)投手が9人もいたので初めて負けたくないという気持ちで投げた。それがプレーにも表れた」。優秀賞も獲得した。
後藤、佐藤は全6試合に出場。後藤は無安打に終わったが、本職の内野だけではなく外野も守るなど、得意の守備でチームを支えた。「レベルが高いチームだったが、その上をいこうと思った。代表として細かいところも全力でやれた」と完全燃焼した様子。
佐藤は3割ほどの打率を残し、守備でも貢献。「れんがを砕いたような土で守りづらかったが、対応できた。また、いい選手がいるチームで走塁がうまくなれた」と自身のレベルアップを喜んだ。
二川監督は「別々の高校に進んでもそれぞれ活躍してほしい。後輩たちも見習ってくれれば」と期待を寄せた。
◇予選リーグ
▽Aグループ
高雄市大仁國棒球隊(台湾)
0000000|0
100131×|6
道選抜
【道】阿部陽(帯大空)、阿部光(苫小牧明倫)、古屋(北見東相内)、西谷(旭川神楽)、吉田(士別南)-市川(三笠)、林(湧別)
▽二塁打=古谷(旭川神楽)
嘉義縣民和國棒球隊(台湾)
0000000|0
100103×|5
道選抜
【道】小田(三笠)、古屋、西谷、吉田-林、土屋(北見東相内)
▽三塁打=小倉(士別)
道選抜
1108|10
0010|1
台南市金城棒球隊(台湾)
(四回コールド)
【道】松林(江別一)、阿部光、西谷-土屋
▽三塁打=後藤田(士別)滝谷(後志クラブ)
▽二塁打=阿部光
嘉義市民生國棒球隊(台湾)
00000|0
1242×|9
道選抜
(五回コールド)
【道】松林、阿部陽、加藤(湧別)、吉田-市川、林
▽二塁打=市川
▽順位
(1)道選抜4勝
(2)高雄市大仁國棒球隊2勝2敗
(3)嘉義縣民和國棒球隊2勝2敗
(4)台南市金城棒球隊1勝3敗
(5)嘉義市民生國棒球隊1勝3敗
◇Bブロック
▽順位
(1)桃園縣光明棒球隊(台湾)3勝1敗
(2)嘉義縣東石國棒球隊(同)3勝1敗
(3)東北選抜(日本)2勝2敗
(4)新北新泰棒球隊(台湾)1勝3敗
(5)嘉義市大業棒球隊(同)1勝3敗
◇決勝トーナメント
▽準決勝
道選抜
0001000|1
0000000|0
嘉義縣東石國棒球隊
【道】阿部陽、松林、西谷、吉田-市川、林
桃園縣光明棒球隊 7-6 高雄市大仁國棒球隊
▽決勝
道選抜
0000200|2
1000000|1
桃園縣光明棒球隊
【道】小田、松林、西谷、吉田-林
▽二塁打=阿部光