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地域券で音楽活動応援 発電売益を活用し演奏者に 幕別・エルパソ

ソーラーパネルの豚舎(左)と「忠類太陽銀行券」の見本を持つ平林社長

 【幕別】「どろぶた」の飼育などを手掛ける牧場「エルパソ」(町忠類中当45、平林英明社長)は、牧場内に取り付けた太陽光発電の売電によって得るお金を元金に「忠類太陽銀行」を立ち上げ、アマチュアミュージシャンらを応援する地域券を発行するユニークな取り組みを25日にスタートさせる。音楽イベントでの謝礼などとして発行し、系列のランチョ・エルパソ(帯広、同社長)など加盟店で商品券として使える仕組み。

 平林社長は長年、帯広市拓成町で豚を飼育し、ランチョ・エルパソで提供、「どろぶた」ブランドで販売してきたが、今年4月に幕別町の育成牧場跡地に移転した。豚舎に45枚のソーラーパネルを設置し、北電に売電している。月5万円ほどの収益があり、これまでに貯めた約30万円を使って「忠類太陽銀行」事業を立ち上げる。

 計画によると、地域券は同銀行が認める各イベントやコンサート、ライブショーに対し、演奏したミュージシャン(音楽家)にギャランティーとして発行する。地域券の額面は1枚「500音」で、500円の価値を持つ。

 商品券と同様の使い方で、ランチョ・エルパソで食事したり、同社の商品が購入できる(釣り銭は出ない)。同銀行の加盟店でも同様に使用できる他、同銀行が認めるイベントの入場料としても使える。希望があれば、同銀行から地域券を額面の80%で購入でき、換金することも可能(換金率は50%)。使用期限は発行から1年、地域券は同銀行の原資以上は発行しない。

 同事業は「音楽と食を通じて地域を豊かにしたい」と、平林社長が2年前から構想。パネル設置が町忠類でソーラーに関係することから同名称にした。現在、地域券が使用できる「加盟店」を募っており、すでに市内の居酒屋など3店が賛同。ソーラーパネルは豚舎に15枚設置可能で、同銀行の資金安定化を図るため、出資者(1口5000円)も募集している。

 事業スタートとなる演奏会を25日午後7時から、ランチョ・エルパソで開く予定。平林社長は「音楽が盛んなラテンの国などは経済的な豊かさと関係なく、人の心が豊か。アマチュアで活動する十勝のミュージシャンを応援しながら、地域に循環していく仕組みをつくりたい」と話している。問い合わせはランチョ・エルパソ(0155・34・3493)へ。
(佐藤いづみ)

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