ダイイチ 若園清社長~2024トップインタビュー
札幌の挑戦 十勝に還元
「すすきの店」はブランドの象徴
前年は戦争や世界的な自然災害による原材料の高騰、鳥インフルエンザ発生による卵や鶏肉不足など危機的な状況下でこそ、食のライフラインとして安定供給に必死に努めました。日頃、取引先と良好な関係を築いてきたバイヤーたちの鍛錬が生かされました。
既存店(十勝地区9店舗、旭川地区7店舗、札幌地区6店舗)のリニューアルが一段落したのを機に、昨年11月30日、札幌市中心部の複合商業施設「ココノススキノ」内にすすきの店をオープンしました。単身世帯が8割の大都市圏でビジネス街への出店は初めて。これまでにない部署間連携で準備に取り組みました。「0から1を生み出すのは至難の業である。だからこそ意味がある」。そう社員に話してきました。
その結果、出店後は好調で、レジを通過しない方を含め毎日平均1万人近いお客さまが来店しています。すすきの店は、「帯広・十勝生まれ」というブランドイメージの象徴です。十勝産の良質な商品をPRして、生産者や取引先に還元するだけではなく、成功事例を水平展開して既存店を活性化していきます。
中期経営計画で企業体質強化へ
今年は千歳市に大規模店を出店します。同市では次世代半導体製造・ラピダス(東京)の整備が進みます。20年培ってきたドラッグストアとホームセンターを融合したショッピングセンターで、今後も人口増が見込まれる発展途上の商圏に挑戦します。中堅幹部で作り上げた中期経営計画(2023年10月~26年9月)を羅針盤に、フードロスの削減、DXの推進、商品力の向上を図り、企業の体質を強化していきます。
わが社は1958年、まだ「スーパー」という商習慣がない中、先進地を視察した帯広の経済人有志で立ち上げた道内初のセルフサービス「帯広フードセンター」が始まりです。資材や原材料の高騰、人手不足などこれからも厳しい環境は続きますが、創業の精神に立ち返り、果敢に課題に取り組みます。
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