人を呼ぶ 新たな観光物流 勝毎音更支局開設
道の駅、スマートIC新設
交流拠点 22年4月へ着々 音更帯広IC南側に新道の駅
町が移転開業を目指す新たな道の駅をはじめとする「魅力発信エリア」(町下音更北9線西16ノ1ほか、敷地面積約3・8ヘクタール)。2022年4月の供用開始に向け、工事が着々と進められている。
道東自動車道・音更帯広インターチェンジ(IC)南側で国道241号北バイパスに面し、柳月スイートピアガーデンに隣接。施設は木造一部鉄骨造り平屋建て、床面積は1998平方メートル。飲食店ブースや地場農産物の販売所、情報発信コーナー、子どもの遊び場、24時間利用できるトイレ、中庭などを設ける。
敷地内には、十勝が舞台となったNHK連続テレビ小説「なつぞら」に登場した母屋や牛舎、菓子店などを再現するエリアを整備。現在、ふるさと納税のクラウドファンディングを活用して事業費(6500万円)の資金を集めている。
オカモト(帯広市)を代表とする「ヴェスタおとふけグループ」が実施事業者となり、設計、建設、運営、維持管理を一括して担う。施工者である宮坂・村上・ジオックス特定建設工事共同企業体の後藤智宏所長(宮坂建設工業所属)は「工事の進捗(しんちょく)率は3割弱。新型コロナによる遅れはなく、予定通りに進んでいる」と話す。
新たな道の駅の開業年次の来場者は70万人を想定。小野信次町長は「農業、商工業、観光業のあらゆる地域資源を生かしながら町の魅力を発信し、十勝の新たな交流拠点になれば」と将来を見据える。
十勝川温泉や家畜市場へ期待の時短、経済波及
長流枝IC 調査設計へ
道東自動車道の長流枝(おさるし)地区に新設予定のスマートインターチェンジ(IC)。利便性の向上だけでなく、地域への経済波及効果も計り知れない。
スマートICは、自動料金収授システム(ETC)を搭載した車両専用のIC。既存の高速道路のネットワークの有効活用を図る目的で、全国各地で順次、導入が進められている。
「長流枝スマートIC」(仮称)は、音更帯広ICから9・3キロ、池田ICから12・3キロの地点、長流枝パーキングエリア西側での導入を想定。道内では輪厚、砂川に続いて3カ所目に当たる。輪厚、砂川は既存のサービスエリアやパーキングエリアに設置されているが、今回は道内初の本線直結型で、ETC搭載の全車種、24時間運用となる。
開通によって期待される効果が観光だ。道東道経由で十勝川温泉地区に向かう際、これまで音更帯広ICで降りた場合は約26分、池田ICで降りた場合は約21分の時間を要していたが、開通後は音更帯広ICからだと11分短縮の約15分、池田ICからだと3分短縮の約18分で着く。
また、十勝中央家畜市場(幕別町)から苫小牧港を経由して道外に家畜を出荷する際、スマートICを利用すれば、音更帯広に向かうルートと比べて所要時間が10分ほど短縮される。
今後の具体的なスケジュールは調整中だが、ネクスコ東日本と町が連携し、スマートICや連結道路の整備に向けて調査設計などを進めていく見通し。
ガーデンスパ結び周遊も
道の駅ガーデンスパ十勝川温泉(音更町十勝川温泉北14)は、昨年7月に道の駅に登録された。道東自動車道の長流枝スマートICが開通すれば、道央圏からのアクセスが向上し、観光客の増加が期待される。道東道音更帯広ICから十勝川温泉までは観光街道「音更メロディーライン」でつながり、新たな道の駅とガーデンスパが結ばれ、町内での周遊観光が充実する。