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たうんトーク「カフェ『幸福村』運営カンナ・カンナ社長 三浦直美さん」

観光と福祉の連携を掲げ、「幸福駅の魅力を多くの人に感じてもらいたい」と話す三浦社長

幸福駅 観福連携の場に
グッズや花壇 徐々に形に

 帯広市幸福町で旧国鉄広尾線幸福駅のカフェ「幸福村」を運営するカンナ・カンナの三浦直美社長(45)は、福祉事業所で働いていた経験や夫の潤一さん(47)が発達障害を持つことから、観光振興に福祉の視点を取り入れた「観福連携」を推進する。今後の幸福駅の活性化に対する思いを聞いた。(聞き手・川野遼介)

地元協議会の理解
 -福祉への思いはどこから。
 保育所時代から仲が良かった障害を持つ年上の友人が、小学校でいじめに遭っていたことから、障害者と健常者との間に、目には見えない壁を感じたのが根底にあった。福祉関係の仕事に就いても同じ思いを抱いていた。自分の身の回りから開かれた地域をつくっていきたいと福祉に力を入れるようになった。

<みうら・なおみ>
 1976年帯広市生まれ。帯広大正小、第七中、帯広三条高、帯広大谷短大卒。介護福祉士として障害者支援施設中札内みのり園、開西病院、黒澤病院などで勤務。2016年にカンナ・カンナを設立し、就労継続支援B型事業所を運営(現在休止中)。17年からカフェ「幸福村」を運営している。

 -幸福駅で観光振興に携わるきっかけは。
 カンナ・カンナの取締役で幸福町に住む勝見雅一さん(63)から声を掛けられた。夫も幸福駅に可能性を感じ、市の「ハッピーセレモニー」の業務も受託した。地元の幸福町観光再開発協議会の理解も得ながら、さまざまなイベントを実施してきた。幸福駅は自分が子どもの頃は地元にいても遠い存在で、もっと魅力を発信できるんじゃないかと考えた。

 -観光と福祉の連携は。
 当初から二つを掛け合わせた活動を展開したいと考えてきたが、近年、徐々に形になってきている。幸福駅で販売するグッズの製作作業を福祉事業所に一部委託し、今年は障害を持つ施設の利用者とも一緒に花壇整備ができた。こうした活動を続け、幸福駅から福祉に力を入れていることを発信していき、観光客にも関心を持ってもらいたい。

つながり広がる
 -観光地としての幸福駅の課題は。
 滞在時間が短いことが一番の課題。多くの人は切符を買い、写真を撮ってすぐに帰ってしまう。幸福駅を魅力ある場所にするには、こちらがきっかけをつくらないといけない。そこで絵の展示会や笑いヨガなどのイベントを通して、親しみを持ってもらう働き掛けをしている。せっかく来たからには“幸せ”をかみしめてもらう何かを提供したい。

 -今後の取り組みは。
 幸福駅にはいろんな思いを持つ人が来てくれる。今年は使われていない車両の整備を申し出てくれたボランティアもいた。コーヒー1杯、ソフトクリーム1本でも、つながりを持てる可能性を見つけられた。プラットホームでコンサートを開き、車両の新たな活用方法を探るなど、やりたいことはたくさんある。民間の強みを発揮し、新たな魅力づくりに取り組んでいきたい。

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