「想像絶する事件」 不審者対策徹底へ川崎連続殺傷
28日朝、神奈川県川崎市で小学生など19人が男に包丁で刺され、女子児童を含む2人が死亡した事件。登校時間帯にスクールバスの集合場所で起こった惨劇は、全国に大きな衝撃を与えている。十勝管内の各教育現場でも、不審者対策の徹底など子どもたちの安全確保へ改めて気を引き締めている。
今回の事件を受け、道教委は道内の各市町村教委に「通学路の安全確保対策の徹底について」と題して文書で連絡した。帯広市教委も28日午後に受け取り、市内の全小・中学校に児童・生徒の安全に細心の注意を払うよう呼び掛けた。
多くの子どもを預かる学校現場では、不審者対策は必須事項だ。市教委は2012年5月に市内で起きた通り魔事件以降、全小・中学校の玄関を原則施錠し、カメラ付きインターホンを設置するようにした。職員室からでも来校者の顔が見えるようにし、不審者対策を強化している。「子どもの安全確保が第一」とし、28日以降も各学校に対し引き続き施錠を徹底するよう求めた。
市内のある小学校長は「想像を絶することが起きてしまった」と驚きを隠さず、「突然現れる悪意を持った人間に対し、具体的にどう対応すればいいのか正直想像できない。まずは今まで以上に、校舎の施錠や地域との連携を強化していく」と話す。
管内町村でも改めて緊張感が高まっている。音更町教委はこれまでの不審者対応を再度確認し、徹底することを町内の各小・中学校に呼び掛けた。「今は、何かあれば町と学校がいち早く情報共有することが最も重要だ」としている。
「子ども110番の家」にすぐ知らせて
管内の小学校では不審な人物に遭遇した場合、個人宅や事業所などが登録する「子ども110番の家」(帯広市は1082カ所=27日現在)に駆け込むよう指導。また、住民が通学路に立ち、登下校時の児童を見守るボランティア活動も行われている。市内で10年以上、登校時の見守り活動を続ける男性は今回の事件に心を痛め、「安全に登下校できることが一番。より一層、気を引き締めて見守りたい」と話した。(細谷敦生)