闇夜に不安と疲れ 管内避難所に638人
「早く元に」 携帯充電各施設で
大規模な停電が続いたまま夜を迎えた6日、十勝管内の各地で避難所や一時休憩所が開設され、住民や旅行者ら638人が電源や水などを求めて身を寄せた。家庭などでも暗闇の中で不安な夜を過ごした。
帯広市は6日午後4時半、市内12カ所に休憩所を設置し、多くの市民が不安な夜を過ごした。各休憩所では「一刻も早く街に明かりが戻ってほしい」などの声が聞かれた。
休憩所の一つ、鉄南コミセンで携帯電話の充電をしていた市内の亀谷洋子さん(50代)は「携帯の電波がつながりにくく、友人や親戚に連絡が取れないのがつらい。だが、コミセンまで車で来る途中、多くのドライバーが道を譲り合っているのを見て素晴らしいと感じた」と話し、早期の電力復旧を願った。
とかちプラザには、午後7時の時点で、外国人を含む旅行者や近隣住民ら約120組が滞在した。
旅行で道内を訪れていた群馬県の新井誠一さん(66)、芳子さん(65)夫妻は6日に新千歳空港から帰る予定だったが、欠航のため帯広空港発の便に振り替え、急きょ帯広で宿泊場所を探すことに。ホテルは満室だったが、とかちプラザが避難所になっていることを知り、訪れた。誠一さんは「天変地異は仕方ない。あすの便は確保できているので、落ち着いて待つ」と前向きに夜を迎えた。
市役所11階の休憩所で体を休めた市内の葛西良孝さん(49)は「市役所にいれば情報が得られるのではと思って来た。復旧までどれくらいかかるのか、情報があれば気持ちをつくれる」と話した。
各休憩所は8日朝まで開設の予定だが、停電の解消状況によっては閉める場合もある。アルミマット、寝袋、給水、充電(充電器の持参が必要な施設あり)のサービスが受けられる。
「真冬だったら…ぞっとする」
6日午後8時半、音更町の「ひびきの会館」に設けられた一般開放の充電スペースに足を運んだ同町の高田諭さん(56)は「停電がここまで続くのは初めての経験」。
帯広のコンビニエンスストアで店長をしている高田さんは、夜勤中に被災。大挙して押し寄せる市民らに可能な限り対応した。
「冷暖房を使用しなくても支障はない。ただ、これが真冬だったらと思うとぞっとする。早く元の生活に戻ってほしい」と話した。