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河川敷爪痕なお 30施設、復旧長期化も 台風10号半年

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 台風10号など昨年8月の一連の大雨災害で、十勝管内では河川増水により、自治体管理の河川敷運動施設に大きな被害が出た。パークゴルフ(PG)やサッカー、野球場を中心に、河岸が削られたり、土砂堆積などで利用できなくなった施設は、十勝毎日新聞の調べでは10市町村の少なくとも30施設に上る。すでに復旧している施設もあるが、利用再開は2018年夏以降となる施設もあり、利用者への影響は長期化しそうだ。

 帯広市は十勝川と札内川沿いの十勝川水系河川緑地約185ヘクタールのうち、166ヘクタールに被害が出た。サッカーコート9面、野球場9面などで被害額は約8億円。市の第三セクター帯広緑化振興公社が運営していた帯広リバーサイドゴルフ場は再開を断念し、昨年10月に破産手続きを開始した。

十勝川の増水で土砂に埋まり、廃止が決まった帯広リバーサイドゴルフ場(昨年10月)。再開を目指す被災運動施設でも、影響の長期化が懸念される。

 河川敷運動施設は利用ニーズに合わせて徐々に整備したため、使い勝手が悪い面もある。市は災害を機に再配置も検討したが、「原形復旧以外は認めない」という国の方針で断念。「納得できるものでないが、全国一律で実施する国の事業では致し方ない面もある」とし、原形復旧した上で再配備を検討していく。芝の養生を経て、使用再開は18年夏になる見込み。

 被害は管内の広域で発生し、復旧に時間を要する施設は多い。

 幕別町は札内川河川敷のPG場やソフトボール場など5・3ヘクタールが被災し、被害額は約2億円に。現在地で復旧するが、再開は18年秋の予定。池田町は利別川のサッカー場を今秋に復旧、それまでは高台にある野球場などを代用する。音更川の陸上競技場やサッカー場などが被害を受けた音更町は、河川管理者による復旧工事の日程が未定のため、一部運動施設で復旧の見通しが立っていない。

 被害が甚大で再開を断念したり、移設を決めた施設も。十勝川のサッカー場や野球場などが流出した芽室町は、河川敷での復旧は難しいと判断。「基本的には既存施設を使ってもらう方向」(町)で、サッカー場については新たな運動施設を開設する。士幌町のしほろ清流PG場は約8ヘクタールが全面冠水し、芝生がはがれた。「壊滅的な状態」(町)として廃止を決め、別の場所に移設する。

 新得町では佐幌川の増水などで芝生ランニングコース100メートルが消失し、約1キロが土砂で埋まった。復旧時期は未定だが、町は「現在より佐幌川から離して復旧する」としている。
 河川敷施設ではないが、清水町では氾濫したペケレベツ川沿いにある町体育館が浸水した。避難所機能を果たせなかったこともあり、「移転が望ましい」(町)との考えだ。

 施設閉鎖が長期化の様相を見せ、利用者に影響が出ている。特に被害が大きかったPG場は、愛好者のプレーの機会が限られ、一部大会中止の措置も取られた。

 十勝地区PG協会連合会の佐藤紀六会長は「影響は大きく、一刻も早く復旧してほしい。河川敷以外の場所に大会使用ができる規模のコースを設置するよう行政に求めていきたい」と話している。

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