芸術の秋 多彩に とかち文化まつり開幕
十勝の秋を彩る総合芸術祭「第15回とかち文化まつり」(NPO十勝文化会議主催)が10日、帯広市内のとかちプラザで始まった。15日まで。
「未来交響~人の躍動 地史往還」を統一テーマに、芸術・文化の多彩な発表が催される。13日は休館。
アトリウムでは鹿追町の郷土芸能「白蛇姫舞」と本別町の「駒踊り」を題材にした横5メートル、縦1・8メートルの大壁画2点を展示。中央ではシラカバの流木や、岩のモニュメントなど、昨年十勝で起きた台風災害を象徴した展示や、各部会の共同制作作品も展示される。
ギャラリーでは美術、書道、華道、大会議室では写真、文芸作品を展示。写真では同会議理事などを務め、6月に亡くなった高橋功一さんの遺作も並ぶ。
市内から夫婦で来た小川澄子さん(79)は「素晴らしい作品ばかり。写真は良い場面を撮影したものが多い」と話していた。
11日は午後1時半から佐藤信勝氏による郷土史講演会「二宮尊親の足跡豊頃開拓を考える」を開催。「金次郎」の名前で親しまれる二宮尊徳の孫、尊親の営農の軌跡をたどる。
12日は午前10時から料理講習会(受付は終了)を開催。午後0時半からはレインボーホールで舞台発表を行い、初参加の帯広市民オペラの会(松崎千枝子会長)を含む12団体が芸術発表を行う。午後1時半からは、視聴覚室で嶺野侑氏による教育講演会「十勝内陸部の開拓と教育」を開催。農業王国となった十勝開拓期の人々を育てた教育、その原点に迫る。(大木祐介)
「地史往還」力強く 開会式
「第15回とかち文化まつり」(NPO十勝文化会議主催)の開会式が9日午後6時から同プラザ1階のアトリウムで開かれた。
初めに主催者を代表して同会議の林光繁理事長は「文化は人に活力を与える心の栄養。回を重ねるごとに着実に発展し、十勝で一番活発な総合芸術祭となっている」とあいさつ。来賓として、十勝総合振興局の梶川浩二くらし・子育て担当部長らもそれぞれ祝辞を述べた。続いて鈴木八駛郎実行委員長が、岩を模したオブジェにはけで「地史往還」と力強く揮毫(きごう)。「祭りを通じて自分たちの生きた証しを十勝の大地に耕していきたい」(同)とあいさつした。
最後に浪内一洋邦楽邦舞部会長が十勝を代表する歌人野原水嶺の短歌や鈴木実行委員長の俳句をそれぞれ吟じた。(大木祐介)